静かに広がる手元供養

2015/06/14

少子高齢化社会で、従来の「家制度」という考え方は希薄になる一方。
また、高まるマンション志向で居住スペースにも限りがあるなかで、仏壇や墓を持たずに故人を供養するスタイルも注目を集めています。

そもそも仏壇が本来持つ意義を見直すことで、人気を集める「手元供養」のあり方も見えてくるはず。
残される家族の思いに寄り添う、「手元供養」人気の理由について考えてみましょう。

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現代日本の生活スタイルに合わない「墓・仏壇」

「本家」と「分家」、「家督」といった従来からの家族制度が廃止されたのは1947(昭和22)年の民法改正。
以来、「本家が代々の墓と仏壇を守る」といった、従来の供養スタイルも衰退してきているようです。

また、マンション志向の高まりとともに居住スペースに仏壇を置くことは難しくなり、都市部では墓を建立することも困難であるという現実から、仏壇や墓を持たずに故人を供養する「手元供養」という供養スタイルが注目されているのです。

日本人の生活スタイルが大きく変化するなかで、現代のライフスタイルにマッチした供養方法として、「手元供養」が支持されるようになったのです。

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「グリーフケア」のための「手元供養」

故人を失うことによる、悲嘆(=グリーフ)や環境の変化を受け入れることは、残された人々が未来を見据えて生き抜くためにとても大切なこと。

近年、身近な人を亡くした人が悲しみを乗り越えるための精神的な努力を「グリーフワーク」と定義し、それをサポートするものとして「グリーフケア」の重要性が認識されてきています。

葬祭や終末医療の現場では、そうした事実を理解することの必要性が叫ばれているのです。

故人の遺骨を身近に置き、時には話しかけたり、実際に手で触れたりといったことも可能である「手元供養」は、「グリーフケア」の観点からも大きな効果を持っていると言われています。

「供養」の目的は故人の霊を慰めることももちろんですが、残された遺族の悲しみを和らげ、それを乗り越える力を与えることでもあるのです。そうした意味で、故人を常に身近に感じていられる「手元供養」は、遺族に優しい供養方法ともいえるでしょう。

 

ポットやペンダントなど、選択肢が広がる「手元供養」の形

「手元供養」への要求の高まりを受けて、各メーカーから多種多様なアイテムが発表され、市場に出回っています。「手元供養」のアイテムとしては、ポットやミニ骨壷といった「遺骨を収納するタイプ」と、アクセサリーやオブジェのように「遺骨を加工するタイプ」に大きく二分されます。また、「自宅で飾る」「肌身離さず身に着ける」といった用途に合わせてもアイテムを選ぶことができます。

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遺骨をダイヤモンドに加工したり、モダンなプレートに遺骨を安置したり、「手元供養」アイテムのバリエーションは広がりを見せています。また、自分の死後など、供養しきれなくなったアイテムを引き取って永代供養してくれるサービスなども。日常の暮らしのなかで、負担なく故人を供養することのできる「手元供養」、検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたライター

スガ マヒロ
スガ マヒロ

「きれいでありたい!」「限りある人生を楽しみ尽くしたい!」 そんな欲や煩悩にまみれた「此岸」にこそ、清廉至極の「彼岸」に劣らない魅力があるはず。いつかは終わりを迎える人生を、少しでもよいものとするそんな「あがき」こそ、この世に彩りを与えるスパイス。
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