複雑な介護保険の仕組み

2015/06/14

2025年問題をご存知でしょうか。

団塊の世代の方が高齢となり、介護が必要になる人間がとても多くなる、という問題です。
それはつまり、団塊の世代の方、それより若い世代の方にとっては、介護保険の支払いも膨らむということでもあります。

いざ、介護保険のお世話になろうと思ったとき、どのように手続きすればよいのかご存知でしょうか。

 

1 介護保険とは

介護保険には公的なものと民間のものの2種類があります。

今現在、多くの方がお世話になっているのが、公的介護保険です。40歳以上の全国民が加入を義務付けられており、保険料は市町村によって異なります。
開始当初は、年金から所得に応じた保険料が天引きされるため、生活の不安を訴えた高齢者の声があったことを記憶されている方も多いと思います。

 

2 介護保険の受給には制限がある

介護保険は保険料を納めていれば、認定を受けた上でサービスを受けられます。
ですが、誰もが平等に受けられるわけではありません。幾つかの制限があります。

まず、年齢制限があります。第1号被保険者である65歳以上の人は、要介護状態になった場合には保障を受けることができます。
第2号被保険者である40歳~64歳の人は、老化に起因する特定の病気によって要介護状態になった場合に受給ができる、と規定されています。
老化に起因する特定の病気というのは、がん、関節リュウマチ、骨折を伴う骨粗しょう症、脳血管疾患、初老期における認知症など16の疾患です。
64歳までは、事故などで要介護状態になったとしても、介護保険を受給することはできません。

もう一つの制限は、介護の度合いです。
軽度から重度まで、状態によって要支援が2段階、要介護が5段階の計7段階に分けられており、段階に応じ受けられるサービスが決まっています。サービスの内容は、市町村によって異なります。

 

 

3 介護認定の流れ

介護保険を受給するためには、介護認定を受けなければなりません。
ここではその流れについて説明します。

その1 申請

まず申請をしなくてはなりません。居住地の役所の福祉課などに申し込むのですが、このとき「介護保険被保険者証」が必要になります。64歳までは医療保険証も必要になるので忘れないでください。

その2 認定調査

次に役所の担当者が自宅などに訪問し、介護が必要な人間の状態を確認する認定調査を行います。一人でトイレに行けるのか、食事はできるのかなどの身体の状態はもちろんのこと、認知症の場合はその程度進行しているのかなど、細かな質問が行われます。家族が同席できるのでフォローすることが可能ですので安心してください。

同時に主治医に意見書の提出が求められます。専門家の目でみた判断も認定をするさいの重要な材料になります。

その3 判定

調査結果をもとに判定が行われます。判定は2種類あり、全国一律の判定方法で要介護度を測る一次判定と、その一次判定と主治医の意見書を基に介護認定審査会が判定を行う二次判定です。この判定によって要支援度、要介護度が決まります。

その4 認定

介護認定審査会の判定結果が通知され、ようやく介護認定を受けることができます。申請から通知まで、約30日の日数を要します。申請しても直ぐに認定してもらえるわけではないので覚悟をしておいたほうが賢明です。

また、介護認定は永続的なものではありません。有効期間があります。変更申請は6か月、更新申請は12か月です。どちらも原則としての期間ですが、有効期間を過ぎると介護サービスを受けられなくなるので、毎年、更新すると思っていたほうがよいと思います。

 

 

4 どうなるこれからの介護保険制度

介護保険料の増加に伴い、政府は今年、2015年の4月から自己負担分をこれまでの1割から2割にアップさせます。また、老人ホームなどが受け取る介護報酬が引き下げられます。負担額が増えるのにサービスの質は低下するのでは、と懸念する声も多く聞かれます。

どう変化していくのか。まだまだ介護保険制度からは目が離せません。

 

 

【参考資料】
厚生労働省介護保険とは
保険の教科書「必ず知っておきたい!介護保険の全知識まとめ」
東洋経済「介護ショックが日本に襲いかかる」
西日本新聞「介護報酬改定 4月から負担はどうなる」