お墓のマメ知識 日本にあるイスラム教墓地

2015/06/16

日本ではあまり馴染みのないイスラム教ですが、現在、世界の4人に1人はイスラム教を信仰しているといわれています。キリスト教に次いで2番目に人口の多い宗教なんです。アジアにおいても、インドネシアやマレーシアなどイスラム教徒が多く暮らす国々が存在しており、最近では日本もイスラム教徒の観光客誘致を狙って、空港などに礼拝室を設けるなどの対策を展開しています。また、観光客だけではなく、日本には在日イスラム教徒の人たちも少なからず暮らしており、モスクや礼拝室が全国各地に大なり小なり点在しています。ここでは、イスラム教徒にとっての死やお墓についてご紹介します。

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死は一時的なもの

 イスラム教では、「死は一時的なもの」と考えています。つまり、たとえ命を失ったとしても、“最後の審判の日に肉体を持って復活する”と考えるのです。そのため、肉体を持った復活の妨げとなる火葬は厳禁であり、原則「土葬」が執り行われます。しかし、日本では土葬は一般的ではなく、できるところは限られています。在日イスラム教徒の人たちはどうしているのでしょう?

 

在日イスラム教徒の墓地不足問題

 在日イスラム教徒の人たちが亡くなった場合、その後に埋葬する方法は主に2通りあります。まず、飛行機で母国に遺体を搬送する方法。そして、日本の霊園に土葬する方法です。母国に搬送する場合、多くの搬送先はイスラム教国であったりするので、そこで土葬すればよいわけで特に困ることはないでしょう。いま問題になっているのは、日本におけるイスラム教徒の墓地不足なんです。日本人のなかには土葬に違和感を抱いてしまう人も多く、近隣住民などの理解を得られないために土葬できる霊園開発が難しい等の問題を抱えています。そのため、たとえ日本で生まれ育った(母国を日本とする)イスラム教徒であったとしても、土葬先がないために馴染みのない父母等の生まれた国に埋葬しないといけない・・・なんていう事態も発生しているようです。

 

日本にあるイスラム教墓地

 とはいえ、日本にもイスラム教墓地は存在しています。全国各地に点在するマスジド(モスク)やムスリム協会などが管理・運営していたり、霊園への手続きなどをやってくれたりするようです。また、ひとつ土葬といっても、単に土に埋葬するのではなく、“頭はメッカに向けること”などといった細かい取り決めもあります。日本では歴史的にも文化的にも馴染みの薄いイスラム教かもしれませんが、これから更に在日イスラム教徒や観光客が増えていくのは確実であり、今後どのように折り合っていくかを考えてみないといけないかもしれませんね。

この記事を書いたライター

まつい
まつい

これまで全国各地の石材店や納骨堂の取材をしてきました。
最近は「終活」という言葉をよく耳にするようになったものの、なにから始めればいいかよく分からない人も多いはず。そんな方々のお役に立てるように、終活にまつわる情報をお伝えしていきます。
終活を通じて、自分のこれまでの人生を見つめ直し、そしてこれからの人生に備えていきましょう。きっと自分にとっても家族にとっても、充実した幸せな暮らしにつながるはずです。