お墓のマメ知識 日本の銘石が再注目を浴びている理由

2015/06/16

かつては、日本の採石場近くは墓石加工業で栄えていました。日本のお墓は日本の石で日本人の職人の手によってつくられていたんです。しかし、現在は日本のお墓の約8割が中国で加工されているといわれています。使用されている石材も安価な中国産石材が圧倒的な人気を誇っていますが、ここにきて再び日本の石材が注目されるようになってきました。日本の銘石が再注目を浴びている理由を探っていきましょう。

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安価な中国産石材

 いま、お墓の平均単価は約150万円前後です。これでも十分高額に思えてしまいますが、昔はもっともっとお墓にお金をかけていました。ご先祖様と子孫をつないでくれる石のお墓は、日本人にとって非常に大切な存在だったんです。ところが、人々のライフスタイルや価値観の変化に伴い、最近ではお墓にお金をかけない人たちはもとより、お墓を建てること自体を躊躇う人たちも出てきました。そんななかで、日本の墓石業界はより安いお墓を提供する術を模索しています。日本のお墓が中国で加工されるだけでなく、中国の石材が使われるようになったのは、ズバリ“安いから”です。

 

いつまでも続くわけではない“安さ”

 しかし、その安さもいつまでも続くわけではありません。近年、経済成長を遂げている中国。日本の墓石業界は人件費高騰や採石場の埋蔵量枯渇問題などに直面しています。また、中国産石材の品質を問題視する団体なども出てきました。「日本のお墓は、日本の風土に合った日本の石でつくったほうがいい」という意見は昔から一定数あったものの、「中国産の安さが続かないならば、なおさら」と考える人たちも出てきたんです。(とはいえ、中国で確固たる石材加工体制を構築して品質を担保できているところも多々あり、これからも中国との共存を目指そうとしている人たちもいます)

 

日本の風土に合う、日本の銘石

 「日本の銘石」と聞いて、思いつく石はありますか?ほとんどの人たちはピンとこないかもしれません。「うちのお墓はお祖父ちゃんがこだわって高い石を使っていたから、日本の石のはず・・」という人はいるかもしれませんね。実は、日本には末永く美しさを放ち続けることのできる、お墓には最適な石がたくさんあるんです。有名なのは、庵治石(香川県)や大島石(愛媛県・大島)、万也石(岡山県)などなど。いずれの石も、石目や石肌が美しく、色合いも白や黒っぽいものから桜色のものまでさまざまです。長年使用しても劣化しない(色褪せたり、ヒビが入ったりしない)ことでも知られています。末永く引き継いでいくお墓だからこそ、品質面を考えることはとても大事ですよね。

 

 日本の風土に合った、日本の銘石。お墓の価格ばかりではなく、大切な人が眠るお墓だからこそ、その意味合いや味わい深さを考えてみるのも大切なことかもしれません。

この記事を書いたライター

まつい
まつい

これまで全国各地の石材店や納骨堂の取材をしてきました。
最近は「終活」という言葉をよく耳にするようになったものの、なにから始めればいいかよく分からない人も多いはず。そんな方々のお役に立てるように、終活にまつわる情報をお伝えしていきます。
終活を通じて、自分のこれまでの人生を見つめ直し、そしてこれからの人生に備えていきましょう。きっと自分にとっても家族にとっても、充実した幸せな暮らしにつながるはずです。