自宅で葬儀をしない昨今、夜伽はどうしているのでしょう?

2015/06/17

お通夜とは、文字通り、本来は夜通しで行うもの。かつては、遺族や近親者をはじめ、近しい人たちが、遺体のそばで故人の思い出話などをしながら、お線香やロウソクの火を絶やさずに番をすることでした。この寝ずの番を、夜伽と言います。

 

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半通夜ってなに?

現在、一般的にお通夜と呼んでいるものは、夕方から夜9時までなどと時間を区切っていますので、正しくは半通夜と言わなければならないでしょう。

昔のお通夜では、照明を点けたままにし、玄関も開け放って、いつでも弔問客を迎えられるようにしていたのです。そこまでの習慣はなくなりましたが、少し前までは、それでもお通夜は自宅で行うものでした。半通夜、つまり時間を限ってのお通夜であっても、遺族だけは、夜伽をしたものです。

ちなみに、お通夜には、仮通夜と本通夜というものもあります。例えば不慮の事故での死など、精神的にも時間的にも余裕がない場合には、自宅で身内だけの仮通夜をします。その際には、枕経のみを読んでもらいます。後日、改めて弔問客を受け入れる本通夜を行うわけです。

また、地域によっては、お通夜の弔問の場合、香典とは別に、あるいは香典ではなく、「夜伽御見舞い」「通夜御見舞い」を包みます。その際には、お金とは限らず、食べ物を持参する習慣もあるようです。

 

現代の夜伽はどうなっているの?

自宅でお通夜や告別式をする人は、かなり少なくなっています。多くの人たちが、専用の斎場やホールで行っていることはご存知の通りです。

そうなると、遺族は夜伽をどうしているのでしょうか。

中には、そのような寝ずの番の風習を知らないという人もいるでしょう。あるいは夜伽のことは知っていても、そこに意義を感じない人も、少なくないかも知れません。もちろん、それぞれの価値観や宗教観ですから、必ずしも遺体に付き添う必要はないはずです。

昔は、夜通し弔問客を受け入れていたものが、時間を区切ってお通夜を行っていますし、自宅で行わずに、斎場で葬儀をしています。時間とともに変遷する考え方や、さまざまな事情によって、宗教的な習慣が変わるのも無理はないのですから。そもそも、夜通し線香を絶やさないのは、特に夏の腐臭を防ぐためだとも言われています。そういう意味でも、夜伽が行われなくなるのも自然な流れかも知れません。

一方、故人とゆっくり最後のお別れをしたいという思いも、自然な気持ちと言えるでしょう。ただし、その場合には、葬儀を行う施設が夜伽を承諾してくれるかどうかが問題になります。施設によっては、夜の火の使用を禁じているところもあります。電気式のロウソクを使うルールを設けている施設も少なくありません。逆に、遺体の近くに宿泊もできるような場所があり、夜伽ができることもあります。

大事なのは故人の気持ちと遺族の思いでしょう。もしも夜伽を希望するのであれば、それが可能な施設であるかどうかを、斎場の選択の際に尋ねてみましょう。