争続回避 故人が遺言状を残していた

2015/06/23

争続を避けるために、故人が遺言状を残していた時

遺言状は自身にもしものことがあった際、残した財産を誰にどのように相続させるかを記した法的書類のことをいいます。故人が遺言状を残していた場合、遺産分割協議の途中でもそこに記載された内容が優先されます。
あなたの大切な人が亡くなった際、死亡届けを出すとともに遺言状の有無を調べる必要があります。しかし、残念ながら、遺言状の内容によっては、争続を招くケースも存在します。

争続を避けるために、故人が遺言状を残していた時

遺言状の種類

遺言状は民法の規定に基づいて作成、法的に効力を持った書類です。民法規定に従っていないものは、遺書とみなされ法的な効力は存在しません。
民法規定に従って作成された遺言状には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つがあります。

1.自筆証書遺言

遺言内容、作成日、氏名が故人の自筆で書かれ、なおかつ署名押印がある遺言状。
遺言の効力を発動するには、家庭裁判所の検認手続が必要です。また、文字がタイプされた物や、故人以外の者が代筆した物には、法的な効力が働かないため、必ず自筆で作成することが重要です。

2.公正証書遺言

遺言者が2人以上の公証人と共に作成した、遺言状のことを指します。
公証人が遺言者の口述を代筆し、その内容を読み聞かせます。そして、内容に相違がなければ遺言者、公証人共に直筆で署名し押印をします。押印をする際、遺言者は実印を用いる必要があるため、印鑑証明書を用意する必要があります。公証人は実印を使用しなくてもよいため、印鑑証明書は不要です。
こうして完成した公正証書遺言状の原本は、公証役場に保管されます。

3.秘密証書遺言

遺言の内容を他人に漏らさず、秘密という形で存在のみを証明してもらう遺言状です。
形式は自筆証書遺言と同様ですが、こちらは自筆ではなく、パソコンやワープロなどで作成しても問題がありません。しかし、署名は自筆でする必要があります。

 

遺言状が見つかった時の対応

1.自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合

遺産分割協議が始まっていても、相続人全員立会の元、家庭裁判所を訪れ遺言状を開封、検認手続をすることが絶対です。
仮に、勝手に開封してしまったとしても、遺言状の効力に変化はありません。しかし、開封した人に対し5万円以下の過料が科せられることもあるため、必ず家庭裁判所で手続きを行ってから開封してください。

2.公正証書遺言の場合

家庭裁判所での検認手続は不要ですが、相続人の確定と、故人の財産の調査をする必要が生まれます。

 

遺言内容に不満がある時

先にも書きましたが、遺言状は生前の故人の意思表示であるため、その内容どおりに財産を分配することが前提とされています。
しかし例えば、故人の死後、家族が知らなかった、愛人に財産を全て譲るなど、遺言状にとんでもないことが記されていたら?
当然あなたは納得がいかないでしょう。このように、理不尽な遺言に対しては、「遺留分減殺請求権」を行使することができます。遺留分減殺請求権を利用した際、遺言に記載された相続人に対して遺留分の財産の不足を取り戻すことが可能です。