葬儀から始まるお寺との関係

2015/06/29

葬儀から始まるお寺とのなが~いお付き合い

ある日突然やってくる家族との悲しい別れ。家族の死という現実を突き付けられたとき、頭に浮かぶのが普段はほとんど意識することないお寺の存在です。無宗教を自認する日本人にとってお寺イコール葬儀という方は多いのではないでしょうか。

葬儀から始まるお寺とのなが~いお付き合い

■1 日本人とお寺と葬儀の関係

日本の仏教は葬式仏教だといわれます。家族や親しい人の死に直面しない限り身近な存在でない、それがお寺です。
では、なぜ日本のお寺はお葬式と密接な関係をもつようになったのでしょうか。それは江戸時代に遡ります。キリスト教を弾圧していた江戸幕府は、キリスト教徒でないことを証明させるために檀家制度を設けたのです。同時にお寺は葬儀をやることを義務付けられたのです。葬儀にはお布施がつきものです。布教などの活動を行わなくても収入源が確保されたため、現在まで続く葬儀と密着した形が作られていったのです。

 

 

■2 お寺さんのお仕事

お寺にも仕事はあります。その代表が「年中行事」「法要」「葬儀」の3つです。
中でも檀家の葬祭にかかわるものは大切なものとされています。お寺の代表者である住職は、過去帳という亡くなった檀家を記した名簿を持っています。それを見ればどこの家で誰の法要を何時やるか一目瞭然。今年は〇〇さんの×回忌です、と連絡をくれるのも珍しいことではありません。家族でさえ忙しい毎日のなかで忘れてしまいがちな法要を思い出させてくれるのが、お寺なのです。

 

■3 葬儀から続く法要というお付き合い

葬儀が終わったらお寺とは無関係、というわけにはいきません。菩提寺であればそこから法要という長いお付き合いが始まります。
仏教では亡くなってから49日間を中陰と呼び、この世からあの世へ渡る途中だとされています。この間、7日ごとに閻魔様の審判があるので法要を営むとよいとされています。初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、そして七七日。四十九日です。現在では葬儀終了後に初七日法要を済ませ、次に納骨を行う四十九日法要を行うのが一般的ですが、地域や宗派によっては今も七日ごとに故人の家に読経にやってきてくれます。もちろんそのたびにお布施が必要になってきます。

法要はさらに続き、百か日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌。三十三回忌と続き五十回忌で一応の終了をみます。

でも、実はお付き合いはこれだけではありません。年中行事です。春と秋のお彼岸、夏のお盆の施餓鬼供養と、故人を供養するものがあります。そのたびにお寺へお布施や供物を渡すのが一般的です。

法要というお付き合い

■4 知っているようで知らないお寺の真実

お寺には、一般人には知らないことがたくさんあります。
まず、お寺と住職の関係です。実は、お寺は住職の所有物ではありません。通常は、住職は管長(かんちょう)、貫首(かんす、かんしゅ)、貫主(かんしゅ)、座主(ざす)、門首(もんしゅ)、門主(もんしゅ)、法主(ほっす)といった各宗派の代表者の任命により本山から派遣されている立場なのです。現在では親から子へ世襲されることが多くなりましたが、継ぐ者がいなければ去らなければならないのです。

 

次にお墓ですが、墓石は個々のものですが、土地自体はお寺の所有です。世話をするものが居なくなったお墓は、一定の手続きを経てお寺に処分が一任されます。墓石とお骨が移され、更地になり、新しい人に貸し出される、というが一般的です。

葬式仏教に特化してきた日本のお寺ですが、安泰だと思われていたシステムにも、近年はかげりが見えるようになりました。特に厳しい状態に置かれているのは、過疎化が進んだ地方のお寺です。檀家がいなくなり収入が激減。経営がたちいかなくなっています。また、墓地公園ができ、お寺との関係をもたずに供養する人も増えました。

お寺との長いお付き合いにも変化の時代が訪れているようです。