老後を大学で学びながら過ごす?東京 町田での新たな取り組み

2015/06/30

今、老後の暮らしが変わりつつある。テレビでは老後の田舎暮らしを特集する番組がひっきりなしだ。子どもが離れて暮らすというライフスタイルがあたり前になりつつある今、老後の暮らし方の選択の幅もかなり大きくなった

その反面で、家族による介護の負担を心配する声は年々大きくなっている。

 

そうした背景もあり、”いかに良い老後を過ごすか?”という課題に頭を悩ませている方は多いのではないだろうか?

 

『60歳からのキャンパスライフ』
と題うった新たな高齢者福祉への取り組みがある。

施設だけでなく大学を始めとした地域社会を巻き込んで高齢者の自立した生活を支援しようとするものだ。

 

今回は、株式会社コミュニティネットが開設・運営している、「ゆいま~る」という名称のサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)や有料老人ホームへのこころみと、

株式会社コミュニティネットが会員事業者として参画している、一般社団法人コミュニティネットワーク協会(以下、協会)が行っている取り組みについてご紹介する。

「ゆいま~る」の取り組み

「ゆいま~る」は、那須や厚沢部、高島平など全国で8ヶ所(2015/6/30現在)、幅広い地域に展開している。

 

その中でも特筆すべきは、従来の高齢者向け住宅のイメージと異なる「ゆいま~る」のコンセプトだ。

 

ひとつは利用者と施設の関係性である。

例えば、ゆいま~る那須では、蕎麦屋を営んでいた夫婦が食堂でそばを打ち、元理・美容師が住人の髪を切る。そして、その対価としての収入を得るなど、ただサービスを利用するのではなく、居住者自身が自発的に支え合って暮らしている。

利用者も蕎麦屋の技術を活かして働く
利用者も技術を活かして働く

 

もうひとつは、地域社会との関わりだ。

ゆいま~る伊川谷では、施設内の食堂や図書室、イベントスペースを一般にも開放している。

それだけでなく、伊川谷駅から徒歩1分という立地にあり、利用者も地域住民もアクセスがしやすい。

図書室にはたくさんの書籍や絵本が並ぶ
図書室にはたくさんの書籍や絵本が並ぶ

 

このように、「ゆいま~る」に共通しているのは、高齢になってもいきいきと暮らせるような仕組みがあり、さらに地域に開かれた施設であることだ。

町田ヒルズハウスのこころみについて

 こうしたゆいま~るシリーズを展開してきた協会は、町田市に新たな住宅の建設にとりかかっている。

 

今回、2015年6月24日に開催された、『第6回 町田小山ヶ丘で暮らし続けるしくみをつくる会』(以下、つくる会)に参加してきた。

これは、協会が主催する、町田小山ヶ丘に建設中の町田ヒルズハウス(以下、ハウス)についての説明・討論会というものだ。

 

『60歳からのキャンパスライフ』をテーマに、町田市にキャンパスを構える、桜美林大学と連携、地域のコミュニティを巻き込んだ大プロジェクトと言っても過言ではない。

 

前半の説明会では、ハウスの構造や、大学施設、立地と周辺環境といったことの説明。

後半は、入居希望者、地域の関係者、そしてハウスのスタッフが各グループに別れ、ざっくばらんに質問や意見を話し合った。

 

実際に入居を検討している方と一緒にグループディスカッションに参加させて頂いた。

 

「入居後、大学でどういう施設が使えるのか?」といった質問に対しては、「そこまで決まっていない」、「入居したとしたら、どういう事がしたいか?」とのこと。

 

あまりにもサービスの内容について曖昧なのではないか、と思ったがここに「つくる会」の意義があるのだという。

 

これまでのサービス付き高齢者向け住宅は提供側が作ったものを利用するだけで、利用者の細かなニーズを取り入れることは難しいのではないか、と考えているとのこと。

提供側から説明をするだけでなく、利用者の要望を取り入れられるよう、つくる会を実施しているのだと言う。

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和やかながらも真剣な雰囲気のグループディスカッション

 

いまや老後といっても、様々な生活のカタチがあり、人それぞれの夢や希望がある。

だからこそ、入居希望者、地域の関係者、そしてハウスのスタッフが、完成するまでに何度も討論を重ね、中身を一緒に創り上げていくのだ。

 

このつくる会も第6回となるが、今後も定期的に実施予定とのこと。

超高齢化時代に新しいライフスタイルを提案していく、そんな可能性を感じる有意義な2時間であった。

 

追記

先日、7月25日(土)には、第7回目の「町田小山ヶ丘で暮らし続けるしくみをつくる会」が開催された。

筆者は参加できなかったが、設計模型や間取り図などを踏まえて、具体的な内容について説明すると、防犯面での疑問があがるなど、率直な議論が交わされたとのこと。

 

次回、第8回は、8月25日(火)、14:00~、多摩アカデミーヒルズにて開催予定。

ゲストに、「クロワッサン症候群」の著者として知られる、松原惇子さんを呼ぶとのこと。

一層充実した内容となりそうだ。

 

初めての参加も受け付けているとのこと。

「町田小山ヶ丘で暮らし続けるしくみをつくる会」についてのお問い合わせは、

「一般社団法人コミュニティネットワーク協会」まで。

一般社団法人コミュニティネットワーク協会ロゴ

 

 

 

「ゆいま~る」についてのお問い合わせは「高齢者住宅情報センター」まで。