老後の幸福を左右するもの

2015/07/08

老後の幸福度、男性は「配偶者」、女性は「経済力と精神的自立」

老後の幸福度

日本人の平均寿命は毎年伸び続け、2013年にはついに男性も80歳を超えた。世界トップレベルの長寿大国日本だが、せっかく長生きするのなら、幸せに毎日を過ごしたいものだ。「老いの工学研究所」によれば、男性は「結婚や配偶者の有無」が幸福感に大きな影響を与える一方で、女性は「経済力や精神的自立」が大きく関係していることがわかった。

 

調査は高齢者234人を対象に実施したもの。回答者の平均年齢は男性72.8歳、女性69.4歳。自身の幸福度を点数化してもらい、幸福度の点数が高い人とそうでない人にどのような差があるのかを分析している。

 

 

「1人暮らしでも幸せ感じる」男性は女性の8分の1

家族や配偶者の関係を見ていくと、男性で幸福度が高いと感じている人は「配偶者と同居」が78%と8割を占める一方で、女性は同居が46%と半数にとどまっていた。1人暮らしでも幸福だと感じる割合は、男性ではわずか4%しかいなかった反面、女性は1人暮らしでも幸福と感じる人の割合が32%を占めており、1人暮らしでも幸せと感じる男性は女性の8分の1しかいなかった。

 

また、「今の配偶者と結婚して良かった」と感じる割合は、男性84%、女性61%と男性の方が満足度が高い傾向がうかがえた。こうした調査結果から研究所では、「高齢男性の幸福度は結婚や配偶者の存在に大きく関係している」と分析している。

 

高齢男性の幸福度に結婚や配偶者の存在が大きく関係しているとすれば、高齢女性の幸福度にはどんな要因が影響しているのだろうか?研究所はこの点についても興味深い分析結果をまとめている。

 

高齢女性で幸福と感じる人とそうでない人で、回答に大きな差がみられた項目は、「この先、経済的不安がない」「年金以外に十分な収入がある」「健康状態に不安はない」が上位3項目となった。このことから高齢女性の幸福度に大きな影響を与えるのは、経済状況であることがわかる。

 

同じ設問で4位以降にのぼったのは、「他人をうらやましがったことがない」「死に対する不安や恐れがない」「子や孫から尊敬されている」など。調査結果らは、幸福度の高い人達は、他人との比較ではなく自分の価値観で生きていること、また老いを肯定的に受け入れて自信を持って生きているなど、精神的な自立が幸福感のキーポイントであることがうかがえた。

 

 

経済力以外の幸せポイントは「子の独立」「若手への引継ぎ」

 

ちなみにこれまでの人生を振り返り、各年代の幸福度を点数化してもらったところ、現在を幸福と感じている人とそうでない人の各年代における幸福感の差は、年代が上がるにつれて拡大する傾向にあることがわかった。現在、幸せと感じている人は40代から幸福感は上昇する一方で、現在、幸せでないと感じている人は40代をピークとして徐々に幸福度は下がっていた。

 

研究所では、「同じ状況でも幸福と感じるか、不幸と感じるかは人による。幸福度の高い人は、年とともに“欲を抑える力”や“不安や不便を受け入れる度量”を身に付けているのでは」と分析している。

 

最後に、「現在の幸福度」と「老いることの価値」に高得点をつけている人とそうでない人の比較を、男女あわせて行ったところ、トップは「この先、経済的不安がない」で女性のみの回答と変わらなかったが、2位以降は「しっかり若手に引き継いだ」「引退は、新しい価値観でスタート」「子は経済的に独立している」などが続いていた。

 

一般的に幸福な高齢者像というと健康で、経済的に困らないということが挙げられるが、実際には価値観や夫婦関係など、さまざまな要因が絡んでいるということだろうか。