若者が高齢者に期待するもの

2015/07/08

若者が高齢者に期待するのは、「若々しさ」より「知識の伝承」や「若い世代との交流」

高齢者に望むのは「知識」「技術」の伝承がトップ

長寿社会、高齢化が進む中、ちまたには元気なお年寄りが多く見られている。高齢者の役割としてなにを望むかについて、老いの工学研究所が調査したところ、あらゆる世代で「知恵や知識、技術を伝える」がトップで、「規範やマナーを体現」「伝統を伝える」「若い世代と交流」も多かった。これに対して「新しい機器を使いこなす」「アンチエイジングする」などの回答は低く、高齢者に望まれる役割には知恵や知識の伝統、マナーの体現といったことが求められていることがわかった。

高齢者の役割として何を期待するかとの問いでは、20~80代のほぼあらゆる世代で「知恵や知識、技術を伝える責任がある」の項目がトップにあがっていた。次いで回答が多かったのは「規範やマナーの体現者であるべき」「日本の伝統や慣習を伝える責任がある」「若い世代と積極的に交流すべき」の順だった。

 

若々しい姿より年の功 

これに対して高齢者の役割として望まれていないことは「新しい機器になじみ、使いこなすべき」「アンチエイジングに励むべき」となっていた。こうしたことから研究所では「若い世代が高齢者に期待することは、新しい機器を使いこなしてアンチエイジングにはげむ“今ドキの若々しい姿”ではなく、“年の功を存分に発揮した姿”である」と分析している。

「長寿はめでたいことか」という問いに対しては、20・30代の若年世代ほど「はい」とする回答が多い。50代までは「めでたい」との回答が8割を占めている一方で、60代以降は6割台まで一気に落ち込んでいる。

 

長生きよりも生活の充実を重視

同じように、「長生きそのものに価値があるか」という問いでは、50代までは5割~6割の人が「価値がある」と考えているのに対して、60代からは3割程度にまで下がっている。調査結果からは“老い”がまだ遠く先にある世代と現在進行形で“老い”を生きている世代とでは、長生きについての認識で大きな差があることがわかる。研究所では「自分自身が高齢になる過程で長生きを単純に評価できなくなる心理がうかがえる。寿命に対して生活の充実度を重視している」などと推察している。

男女別に回答結果を見ると、20代をのぞくすべての年代で女性の方が「価値がある」と回答した人が少なかった。このことからも女性の方がより一層、単純な長生きよりも生活の充実を重視していることがうかがえた。

超少子高齢化が進む中で“生涯現役”というキーワードに注目が集まる中、調査結果では生涯現役志向は低調だ。「生涯現役でいるべき」との回答は40代でもっとも高く65%だがそれ以外では低く、全体では5割程度に留まっていた。