尊厳死?殺人事件? 米国にみる安楽死

2015/07/09

安楽死(≒尊厳死)とは患者が延命治療を望まずに余生を過ごすことをいいます。通常の治療で亡くなった場合は病死と言われます。

安楽死と尊厳死を細分化すると安楽死は患者本人の意思ではなく第三者の意見によって決定されます。例えば脳死状態の患者で生前に延命処置の希望有無の意思表明をしていなかった場合、家族の意思を尊重し死を待つことを安楽死といいます。
尊厳死は患者本人の意思を尊重し、生前に延命処置についての意思を確認している場合に適用されます。

 

1.尊厳死の捉え方

2014年後半に全世界に尊厳死について考えさせられるニュースが流れました。米国の43歳女性が尊厳死を選択し2014年11月1日に自宅で死ぬと宣言したからです。

米国ではオレゴン州、ワシントン州、モンタナ州、ニューメキシコ州で尊厳死を認める法律が制定されています。
米国以外ではオランダ、ベルギー、スイス、オーストラリアで尊厳死が認められていますが日本ではどうでしょうか。

 

2.日本での尊厳死

日本では尊厳死を認められています。しかし、安楽死は認められていません。正確には安楽死は行われたのですが裁判で殺人罪が適用されてしまいました。
この事件は俗にいう「東海大学付属病院安楽死事件」です。

安楽死はダメ?尊厳死は可能?

なぜ安楽死はダメで尊厳死は可能なのでしょうか。

 

3.法律での違い

安楽死は医師が人工呼吸器を外すなどの行為により成立するものなのでこれが殺人罪に問われることがあります。なので、安楽死は認められていません。
また、尊厳死についてですがこれは医療の自己決定権を尊重するといった観点から憲法第13条の幸福追求権を行使していると解釈されているため行うことができるとされています。

医療の自己決定権を尊重する

 

4.実はケースバイケースな安楽死と尊厳死

1995横浜地方裁判所の東海大学付属病院においての安楽死についての裁判では「現在の医学の知識と技術をもってしても、治療不可能な病気に患者が罹り、回復の見込みがなく死を避けられない状態に至ってはじめて、治療行為の中止が許されると考えられる」(原文ママ)との見解を発表しました。

尊厳死と安楽死

尊厳死は認められている日本ですが、法律で明確に認められているわけではなく解釈による一面を持っているということも忘れないでください。また、安楽死が適用となった場合でも生前に遺書など書いてあり延命治療を望まないと明言している場合は尊厳死が適用となることもあります。
結果、ケースバイケースで尊厳死となることも安楽死となることもあることを覚えておきましょう。

この記事を書いたライター

桐生 賢太