棺に入れて良いもの悪いもの

2015/07/10

家族が故人に対してできる最後の供養の一つに、納棺のさいに思い出の品を入れることがあります。あれが好きだった、こんな趣味があった。思い出は尽きませんが、ご遺体と一緒に入れてはいけないものがあるのをご存知ですか。

 

■1 基本的な死装束は葬儀社任せで安心

ご遺体を納棺する前に、死での旅路が無事でありますようにと身に着けさせるものが「死装束」です。白い着物、白足袋、手甲、脚絆、数珠、三途の川の渡し賃となる六文銭などがそうです。これらは葬儀社で用意してくれます。セットになっているので、あとは地元の風習にのっとって身に付けさせていきます。
我が家でもそうでしたが、基本的には親族の女性たちが行うのが常のようです。既に死後硬直が始まっている状態なので着物を着せるとか足袋をはかせるなどの大きな作業では一般の人には無理があります。そういった作業は葬儀社の方がやってくれますので、私たちが行うのは「足袋のこはぜをかける」「手甲や脚絆の紐を結ぶ」など、ちょっとしたお手伝いに限られます。

ああ、もうじき本当にお別れなんだな、と強く思ったのを覚えています。

 

■2 棺に入れても大丈夫なもの 

棺には、故人の好きだったものを一緒に納めます。
一般的なものは洋服や着物などですよね。あちらの世界に行って着るものがないと大変。着替えてもらおうという思いからです。
本や写真、手紙、好きだったお菓子、たばこなども大丈夫です。ぬいぐるみを一緒に連れていくと寂しくないと聞き、我が家では私の部屋に飾っていたものを入れました。新しいものより娘が持っていたもののほうが愛着がわくだろうと思ったからです。また、お小遣いもいれました。
嗜好品、愛用品、好きだったもの、一人旅で困らないようにという思いから選ぶ、それが棺にへ入れるものだと思います。

 

■3 棺に入れてはいけないもの 

あれも入れたい、これも入れてあげたい。家族の思いは膨らみますが、棺には入れて良いものと悪いものがあります。
その線引きは荼毘にふしたときに燃え尽きるかどうかです。鏡、ガラス、金属など加熱すると溶けるものは、骨に付着し取れなくなります。こういった骨を傷つけるものは入れてはいけません。
指輪やメガネ、ゴルフクラブ、釣竿、金属やガラス製品は以外と多いものです。また、心臓のペースメーカーも医師にお願いして外してもらっておくほうが良いといいます。
不安なときは葬儀社の方に相談すると教えてくれるので、入れる前にチェックしていただくとよいと思います。

 

■4 故人との最後の思い出づくり 

大正生まれの母は、出かけるときでもお化粧をしない人でした。それを見ていた孫の一人が母のために化粧道具一式を用意してくれました。もちろん、コンパクトの鏡は事前にはずしました。またネイリストをしている孫は、元気なうちにやってあげたかったと言いながら赤いネイルをし、ラインストーンでハートまで付けてくれました。母は、生まれて初めてネイルをし、孫たちにメイクアップをしてもらい、旅だっていきました。
また、父のときは別の孫が、認知症で好きだったタバコもコーヒーも忘れていた父のためにタバコをワンカートンとカップ入りのコーヒーを入れてくれました。コーヒーを飲みながらタバコを吸うのが好きだった父に、
「これからは思いっきり楽しめるね。」そう言いながら入れてくれました。

棺に故人の好きだったものを入れる。それは大切な家族との最後の思い出づくり。あなたなら、何を入れてあげますか…

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