おひとりさまの老後 備えのしおり

2015/07/14

おひとりさまの老後

おひとりさま…。

皆さんもテレビや雑誌、はては友人との会話の中でも「おひとりさま」「というフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今やすっかり定着した「おひとりさま」という言葉は、当初はパートナーのいないシングルの、主に女性のことを指す言葉でした。初めは一人で時間を過ごすさみしさが含まれた言葉でしたが、今では独立した自分らしさを持っている人という、プラスの意味で用いられることも多くなりました。

おひとりさまなんていっても、自分は関係ない。そう思っている人はいませんか?
今は配偶者や子供、家族に囲まれるおひとりさまでないあなたも、いつ一人で老後を生き抜いていかなければならないことになるか、わかりません。配偶者が先に亡くなってしまう場合もあるでしょうし、子供がいたとしても助けが必要なときに面倒を見てもらえるでしょうか。自分の生活や家庭を守るために、必死に働く子供たち。余計な心配をかけたくない、手を煩わせたくないと思うのが、シニア世代の親心でしょう。今おひとりさまの人も、そうでない人も、おひとりさまの老後に備える気持ちを持つことが大切なのです。

 

おひとりさまに必要な4つの備え 

おひとりさまの老後には、4つの備えが必要です。 

一つは天下の回りもの、ずばり「お金」です。 
総務省の平成25年家計調査報告によると、男性のおひとりさまおひとりさま、1カ月の平均支出額は約14万6,162円です。女性のおひとりさまおひとりさまは1カ月15万736円と、男性より若干高めになっています。
内訳を見てみると、男性は酒代を含む食事代が女性より高く、女性は衣料品代が男性より高くなっているとのデータもあります。

生活に必要不可欠なものへの出費はもちろんですが、自分の楽しみのためにもお金が使えないと息が詰まってしまいますよね。 

65歳で退職したおひとりさまが90歳まで生活するためには、1,000万円以上の貯蓄がないといけないといわれています。
金融広報中央委員会が実施した平成25年「家計の金融行動関する世論調査(単身世帯調査)」を見ると、1,000万円以上を貯蓄している世帯は51.1%にも上ります。
ゆとりのあるマネープランが、おひとりさまには特に必要です。

定年を迎えても、働けるうちは働き、貯金を取り崩さない生活をしたいというシニアが増えています。今日のシニアの方々は本当に元気で、有能な人材があふれているのでしょう。

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2つ目は生活の基盤となる「住居」への備えです。
住居も見直しが必要です。今まで住み慣れた思い出深いマイホーム…とはいえ、時を経て足が痛くなったり、思うようにかがむことができなくなったり、そのようなときにも、住みやすい我が家といえるでしょうか。思い出は大切にとっておきたいものですが、場所だけに起因するものではありません。今を快適に生きるために、現在を見つめ、未来を見据えて住居を備えてください。

ひとりでの生活が難しくなったときには、介護が受けられる高齢者向け住宅や施設があります。

介護付有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護サービス付マンション、グループホームなどと様々で、それぞれにメリット、デメリットがあります。

いざという時に困らないよう、入居の条件や、入居までにかかる時間を調べておくのが重要です。

 

3つ目は、だれもが願う「健康」への備えです。
年齢を重ねると、医療など、健康を維持するためのメンテナンスが必要になってきます。お金の備えとも深く関わってくるので、健康を維持するためのお金や保険も準備しておきましょう。

いずれ、自分の身体が自由にならなくなる、という可能性もありますから、介護という観点からの備えも必要です。
だれかの助けが必要になったとき、だれに、どのようにサポートしてもらうか、時間と心を費やしてじっくりと考えてみてください。本人の希望を家族や親しい人に伝えておいてもいいですし、周りに伝えられる人がいない場合はこれからの計画をノートなどに記し、第三者にわかりやすく伝わるようにする工夫をするといいでしょう。

 

最後になりますが、非常に大切な備え、それは、「孤立」への備えです。
若いころのような友人をつくろう、と構える必要はありません。挨拶を交わす、天気の話をする・・・。そのような人物を増やすように心がけてみてください。ただ、意識して話ができるという人がいるだけでいいのです。

どれだけお金や完璧な住居を備えても、体がピンピンしていても、それだけでは人間は満ち足りることはありません。同じ景色を見て話ができるだれかがいると、おひとりさまおひとりさまの生活もぐっと温かいものになります。

 

自分がどうしたいのかを考え、そのために準備をする。
それによって、たとえおひとりさまおひとりさまになったとしても、その生活はより安心できるものになるはずです。

この記事を書いたライター

三浦 知子
三浦 知子

幸せってどういうことなのだろうと考えたときに、私は自分らしく、その人らしくいられることなのではないかと思います。

人生の終盤をどのように過ごすかは、人間にとってとても大切なことです。世間やほかの人の価値観ではなく、ご自身が今までに培ってきた考え方を生かして豊かに過ごしていただきたい。そのお手伝いができることを、とても嬉しく思います。