書き残す。お別れ会のシナリオ

2015/07/27

静かな広がりをみせるお別れ会

「通夜ならびに密葬は近親者のみで相済ませ、後日お別れ会を行う予定です」

どこかで聞いたことがあるフレーズだ。

お別れ会といえば、芸能人や著名人が執り行うもの、と考える人も多いだろう。 
しかし、最近は一般の方の間でもこの形で送るケースが静かに広がりつつあるのだ。

かつて冠婚葬祭は、日頃会えない遠方の親戚や友人など顔を合わせられる年に数回の大イベントだった。だが最近は、家族や親しい友人のみの少人数で行う傾向が強くなってきている。密葬や直葬、家族葬という言葉に代表されるように、葬儀においても家族のみで執り行う形式が主流となりつつあると言えよう。

そういった時流の中で、家族のみの葬儀を従来通りの形式で行い、広く人を呼んだお別れ会を後日行う、と分けて行うケースが増えてきている。
こういったお別れ会は、葬式とは違い自由に演出ができるのが魅力のひとつである。

 

いつ頃やるのがいい? 

お別れ会が葬儀・告別式との大きく異なるのは、逝去してからある程度の日数をおいて行うということ。

死後すぐに行うのではなく、遺族が落ち着きを取り戻しつつある頃がよい。また、逝去してからお別れ会の間を開けることで、遠方からの出席者も都合がつけやすくなるというメリットもある。 

会社の重役の社葬など、規模が大きな場合は準備にも時間が掛かるため、1カ月後くらいに行う場合もある。だが、一般的には亡くなってから14日後から、納骨の日までの間を目安にするとよいだろう。それぞれの宗教の納骨の目安は次の通りだ。 

仏教                     :忌明けの法要(四十九日法要)が済んだ日
神道                     :五十日霊祭の日
キリスト教           :プロテスタントは一カ月後の昇天記念の日
                              カトリックは一カ月後の命日に行われる追悼ミサにて

 

どんなスタイルがある?

お別れ会の形式には以下の通り、大きく分けて2つのスタイルがある。

セレモニー式
パーティー式
セレモニー式とパーティー式のミックス

それぞれの形式について詳しく見ていこう。

セレモニー式

比較的、告別式に近いスタイルで、会場正面の中央には生花で装飾された大きな祭壇が設けられる。葬儀と異なり、読経や焼香をしない点が一番の特徴である。著名人のお別れ会のイメージが最も近いだろう。
故人の経歴紹介などからスタートし、祭壇の写真に向かい、弔辞やお別れの言葉を語りかける。音楽や映像とともに最後は献花で締めくくり退場する。 

パーティー式

セレモニー式に比べて略式で、飲食を伴うスタイルだ。
弔辞や献花のスペースと、立食ブッフェ形式のパーティースペースを両方用意しておく形式である。遺族との歓談はもちろん、出席者同士の歓談も意義深いものになろう。
途中で入退場することも出来るため、忙しい方でも出席が可能だ。
開催場所、特にホテルなどで行う場合、遺骨(位牌)の持ち込みに制限があることもある。あらかじめ確認しておこう。 

ミックス式

セレモニー式で告別式と献花を行った後、会食会場へ移動してパーティーを行うスタイル。一般的なお通夜の流れ(法要をした後に、会食)に近い形式である。お別れ会

 

式の内容はどうしたらいい?

お別れ会は、故人の人となりを改めて知り、そして残された者同士で故人を偲び、悲しみを癒やすための会であるが、内容には特にこれといった決まりはない。また、比較的準備に時間も取れるので、葬儀よりも故人らしさの演出が行いやすい。
残された人にとって故人を偲ぶいい機会となり得ることがゆっくりと広がりつつある理由であろう。

最近は、自分のお別れ会のシナリオを生前に自分で 書く方も出てきている。好きな音楽や映像を流すことで、当時の思い出に浸ってもらい、かつて共に過ごした日々を振り返ってもらいたいという想いだろうか。踊りやダンス、俳句や詩などの趣味があれば、交流があった人たちに発表してもらうよう事前にお願いすることもあるようだ。思い出の写真や映像、愛用の品なども選んでおくことになる。 

映像制作であったり、当日のナレーションや司会進行であったりと、個々のニーズに合わせてそれを実現するサービスや事業者も多様化してきている。

遺される家族のことを考えると、なるべく費用を掛けずシンプルにしたいという考えもあるだろう。葬儀とお別れ会を分けて行うことが負担となってしまっては本末転倒だ。しかし、これまで宗教儀式と人間関係のイベントが組み合わさった通夜+告別式を、属性に応じて切り分けて最適化することで、本人も遺された家族や友人も心の区切りをつけやすくなるという考えを持つ方も。

あなたも、オリジナルのお別れ会のシナリオを書いてみてはいかがだろう。遺される人の心に残るような最高のシナリオを書いてみよう。

この記事を書いたライター

中村 恵二