「宗旨・宗派不問」の持つ意味合い

2015/07/28

お墓選びを始めると、広告やチラシで気になるワードが目につくようになります。それが「宗派不問」や「宗旨不問」などの表現。なんとなく、「宗教を問わず利用できる」といった意味合いであることは想像できますが、これらの表現には実は大きな落とし穴があるのです。お墓選びの際に気をつけたい「宗派・宗旨不問」の本当の意味合いと、その注意点について解説します。宗旨・宗派不問

 

宗旨や宗派を問わず利用できる「宗旨・宗派不問」墓地

「宗旨・宗派」とは、宗教上信仰している教義のことで、仏教について言うと浄土宗や浄土真宗、真言宗などのより詳しい信仰対象を指します。墓苑や納骨堂などの広告でよく見かける「宗旨・宗派不問」という表現は、「『宗旨・宗派』を問わずどのような信仰の持ち主でも購入することができる」という意味で受けとめられることが通常でしょう。

まず気をつけたいのが「宗教不問」というわけではないということ。お墓には大きく分けて民営の墓地と、寺院が運営する寺院墓地があります。「宗旨・宗派不問」との表現が使われるケースは寺院墓地に多く、この際の「宗旨・宗派」は、前提として「在来仏教に限られる」というのが一般的です。「宗教自由」と書いてある場合は別として、キリスト教やイスラム教、新興宗教などは含まれないことが多いので注意が必要です。

 

生前? 死後も? 「不問」なのはどの期間なのかを要確認! 

また、「宗旨・宗派不問」の表現をめぐって、建墓後のトラブルに繋がるケースでもっとも多いのは、「宗旨・宗派を問わない」期間が生前に限られる場合かもしれません。 

寺院墓地では墓地購入前の宗旨・宗派は問わない代わりに、納骨後はその墓地を運営する寺院の檀家になることを条件としている場合があります。入檀料を請求されて問題となる場合もありますが、継続的なお布施をどうするかといった点を気にされる方が多いです。また、檀家にはなる必要が無くても、葬儀や没後の法要を墓前やそのお寺の施設で執り行う際にそのお寺にお願いする以外にお経を唱えてもらうことはできないといった制限はかなり一般的なルールとして出てくるので、ご自分の事情を踏まえてきちんと確認しておく必要があるのです。

纏めると。寺院墓地で「宗旨・宗派不問」の表現が使用されている場合は、 

・過去の宗旨・宗派を問わない
・過去も未来も宗旨・宗派を問わない

 のどちらであるのかを、契約前に確認しましょう。

 

本当の意味で宗教の自由度が高いのは公営霊園、次いで民営霊園

「宗旨・宗派不問」という表現について、「無宗教の霊園である」と勘違いをして購入を急ぎ、後にトラブルとなるケースは少なくありません。寺院墓地ではどうしても宗教上の制限がついて回ることが多く、そのお寺の宗派に従って、かつ多くはそのお寺のお坊さんにお願いして供養を執り行ってもらう必要があります。

埋葬後の祭祀に関して、宗教や法事法要の依頼先について自由な選択を求めるのであれば、宗教自由である公営霊園や特定の宗教法人との結びつきが弱い民営霊園を検討するのが良いでしょう。とはいえ、民営霊園の中には、園内での法要に関しては特定のお寺さんへの依頼が必須というケースもありますので、注意が必要です。

お墓購入にあたって思わぬトラブルを招かないためにも、宗教上の制約や条件は予め明確にして受け入れられる内容かを確認した上で契約したいもの。まずはこの「宗旨・宗派不問」の持つ意味合いをよく理解して、後悔のないお墓購入を心がけましょう。

この記事を書いたライター

スガ マヒロ
スガ マヒロ

「きれいでありたい!」「限りある人生を楽しみ尽くしたい!」 そんな欲や煩悩にまみれた「此岸」にこそ、清廉至極の「彼岸」に劣らない魅力があるはず。いつかは終わりを迎える人生を、少しでもよいものとするそんな「あがき」こそ、この世に彩りを与えるスパイス。
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