団塊世代の多死時代…看取り難民リスク

2015/07/30

まもなく来る団塊世代の多死時代。看取り難民にならないために。

本来は、人種や宗教、国籍、政治的主張などにより、自分の国にいると迫害を受けるため、他国に逃れた人のことを指す「難民」。近年ではそれが転じて「就職難民」「帰宅難民」など、その人が求める状況からあぶれてしまっている人のことを指します。

そして今後増えると予測されるのが、「看取り難民」と呼ばれる人々です。1947年から1951年(昭和22年~26年)のベビーブームに生まれた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年前後から、医療や介護を受ける人数も急増し、これに伴い多死時代が到来するといわれています。看取り難民 急増

現在、病院で亡くなる人は全死亡者数の約8割ですが、現行の医療体制では、財政的、人員的な側面から、多死時代に対応することが困難になると予想されています。

厚生労働省による「死亡場所別、死亡者数の年次推移と将来推計によれば、2030年に亡くなる人は約159万7000人。そのうち穏やかに「人生を終える場所」を確保できなくなる恐れがあるのは約47万人といわれています。こうした人々が病院でも施設でも自宅でも死ぬことができない看取り難民というわけです。

2013年、政府は必要とされる医療の内容を病院で診る現在の「病院完結型」から、介護施設や在宅で医療・介護を行う「地域完結型」に変えていくという方針を打ち出しました。このように、在宅や介護施設等でも看取りを増やすことが求められていますが、これは当然看取り難民数の抑制にもつながります。

 

看取り難民対応に求められる在宅医療の充実

在宅介護、在宅看取りと切り離すことができないのが在宅医療すなわち訪問診療です。その都度医師が患者の要望に応じて出向く往診と異なり、訪問診療は具合が悪くなったときだけでなく、定期的に出向いて診療するもので、料金なども異なっています。訪問診療 在宅看取り

また、在宅支援療養診療所では、定期訪問に加え、緊急時には365日×24時間体制で対応し、臨時往診や入院先の手配などを行っています。在宅支援診療所の数はまだ数が少く今後増やしていく必要がありますが、そのために診療報酬・介護報酬改定において、在宅や施設での看取りの実施の評価が引き上げられるなど、行政による対策が取られています。

現在多くの人が希望している在宅看取り。看取りに立ち会う家族の考えや準備によっても状況がかなり違ってくるため、介護や看取りに必要な準備や延命措置の意思表明に関して、家族自らが学ぶことが必要になるでしょう。大切な人の看取りの場所を確保し、安心して見送るためにも、受け入れ体制を作っておくことが大切です。

この記事を書いたライター

K Yoshi
K Yoshi

親が高齢になり、自分が介護者になる可能性が出てきてはじめて、ライフエンディングを意識するようになりました。
自分らしく人生を締め括るために、また大切な家族に幸せな最後を迎えてもらうためには、十分な準備が不可欠です。「終活」には前向きな意味が込められていますが、それに関連したさまざまな情報をお伝えすることで、より良い人生のエンディングを実現するお手伝いをしたいと思っています。