看取り士の仕事とは?

2015/07/31

この時代ならでこその新しい職業・看取り士の仕事とは?

団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、厚生労働省が在宅医療拡大の方針を打ち出しています。当然在宅看取りも増えると予想されますが、こうした状況において「看取り士」と呼ばれる新しい職業に関心が高まっています。

これを提唱したのは、岡山県岡山市に本部を置く一般社団法人日本看取り士会で会長を務める柴田久美子さんです。

「看取り士」の仕事は、余命告知を受けてから納棺までの在宅での看取りをサポートすること。自分らしく人生の終わりを迎えられるように、本人や家族、医療・介護関係者と相談しながら、その最期のときに寄り添う仕事です。

本人とは「残りの時間をどう過ごしたいか」「お墓のことについて」「死はどのように訪れるか」「葬儀はどのように行われるか」などについても話し合います。また、いざそのときには、家族と一緒にそばにいたり、手を握ったりなど、看取りに最も大切なことを行います。さらに、家族に対しては、温もりがある間は亡くなった人の体をさすることを促したり、生前の話をしてもらったりしています。「看取り士」の役割は、家族が死にしっかりと向き合えるよう、また大切な人を送り出せるように、しっかりと支えるというところにあるのです。看取り士

養成講座の開設などで「看取り士」の認知を高める

日本看取り士会では、今後ニーズが増えると予測される「看取り士」の養成を実施しています。この資格を公的なものではなく民間資格です。4泊5日の胎内内観講座・暮らしの作法(実習)などのカリキュラムを修了すると「看取り士」資格を授与されます。2015年6月の第18期の養成講座には関東や関西からの参加者もあり、終了時点で総勢69名の「看取り士」がいるそうです。

また、柴田さんは一般社団法人なごみの里の代表理事も務めています。
なごみの里では、ボランティアによる見守り・看取りのサポートチーム「エンゼルチーム」を組織・運営しています。介護保険には限度額があり、それを使い果たしてしまうと、全額自己負担となるため、家族にも大きな負担がかかってしまいますが、エンゼルチームは、地域の協力員の方々によるサポートを組み合わせることで介護保険をあまり使わずに済むような形で、さらなるサービスが必要な人のために活動したり、認知症のケアや終末期の人の看取りを行ったりしています。

臨終を迎える人やその家族の心に寄り添う存在は、これからの時代、多くの人から求められるでしょう。こうした「看取り士」の仕事に関心を持つ人が増えることで、多くの人がその助けを借りて、より良い死を迎えることが期待されます。

この記事を書いたライター

K Yoshi
K Yoshi

親が高齢になり、自分が介護者になる可能性が出てきてはじめて、ライフエンディングを意識するようになりました。
自分らしく人生を締め括るために、また大切な家族に幸せな最後を迎えてもらうためには、十分な準備が不可欠です。「終活」には前向きな意味が込められていますが、それに関連したさまざまな情報をお伝えすることで、より良い人生のエンディングを実現するお手伝いをしたいと思っています。