在宅看取りが困難な理由と対策

2015/07/31

「最後まで自宅で療養」(在宅看取り)が困難な理由とその対応策

 内閣府の平成25年度版高齢社会白書では、「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」という質問に関して、「自宅」が54.6%で最も多いという回答が得られました。これに対し、自宅で実際に亡くなった人は12.9%のみ。
政府は在宅医療、在宅や施設での看取りへの移行を目指していますが、なかなか難しい状況にあります。ここでは在宅看取りに焦点を当て、なぜ最後まで療養することが困難なのか、そのためにはどんな対応策を取るべきかをみてみましょう。在宅看取りが困難な理由

自宅での看取りがなかなか実現しない理由は、以下のようにさまざまなことが挙げられます。

・本人が家族に迷惑をかけたくないと思ってしまう。
・本人と家族、あるいは家族内における意見の不一致/本人の意思が家族に伝わらない。
・代理判断をだれがするかについて、またその範囲を決定することが難しい。
・本人が死を受け入れることができず、そのいざという場合に本人自身が延命治療を望むというという事態が起こる。
・家族が、弱っていく本人の様子を見ることに耐えられない、あるいは死を受け入れる心構えができていない。
・本人・家族、ヘルパー、ケアマネージャー、医師、看護師の間でコミュニケーションが十分行われない場合がある
・家族が介護や看取りをできない状況にある(介護者が高齢、病気である、また個室やスペースを作る余裕がないなど、介護・看取り環境が整わない。経済力が不十分など)。

 

在宅看取りの実現に向けた対応策

それでは、在宅での看取りを増やすために、どのような対応策が考えられるのでしょうか

・在宅専門医を増やす。
・訪問看護師を増やす。
・在宅看取りに関する診療報酬を引き上げる。
・地域のかかりつけ医が在宅医療を担えるようなシステムを作る。/開業医に向けた看取りの研修を行う。
・在宅療養支援診療所の要件を緩和する
・一般向けに看取りの啓発をする/本人や在宅看取り未経験者の家族に情報提供を行う。

最後の項目に関しては、これを行うことにより、本人・家族とも死を受け入れられるようになり、最期の時間を安心して過ごすことができるようになります。また、死を迎えるにあたりどんな兆候があるかを医師から説明を受けておけば、心構えができ、不安も少なくなるでしょう。

在宅での看取りには、家族と担当医師、ヘルパー、ケアマネージャー、訪問看護師などとの連携が必須です。さらに、上記で述べたように家族の在宅看取りに対する準備、心構え、理解も重要になります。訪問看護ステーションや在宅療養支援診療所24時間のサポートを受けられれば、家族も安心して看取りを視野にいれた介護がしやすくなるでしょう。

超高齢化社会はもうすぐそこ。在宅看取りを増やすためには、こうした対応策の実施が急がれます。

この記事を書いたライター

K Yoshi
K Yoshi

親が高齢になり、自分が介護者になる可能性が出てきてはじめて、ライフエンディングを意識するようになりました。
自分らしく人生を締め括るために、また大切な家族に幸せな最後を迎えてもらうためには、十分な準備が不可欠です。「終活」には前向きな意味が込められていますが、それに関連したさまざまな情報をお伝えすることで、より良い人生のエンディングを実現するお手伝いをしたいと思っています。