墓参り代行って? 

2015/08/05

家族のお墓に長年行けていないが、墓参りに行く時間がなかなかとれず、放置してしまっている、という状況の人々は多い。
そんな彼らのために昨今、「墓参り代行」というサービスができ、全国に広がっている。 

墓参り代行とは?
 墓参り代行って?

お墓に眠る人の家族の代わりにお墓に行き、お墓の掃除、お参りを代わりに行うというのが業務のおおまかな内容である。

また業者によっては墓参りの様子をビデオ通信で見せるというサービスも行っている。 
 
元来墓参りとは、亡くなった人達の冥福を祈り、供養するためのもの。
家族が無事であることを報告しご先祖への感謝の意を示すための行為である。
このような考え方が一般的な日本では「お金で雇った代理の者が墓参りを代わりに行う」という「ビジネス」は成り立ちそうにもないが、やはり背に腹は変えられないもの、お墓への移動費だけで何万円もかかる家族も少なくない。
それに親類縁者の高齢化などからお墓の維持管理がきちんとできない場合も多い。
これらを始めとする様々な理由から、利用者はどんどん増えているようだ。

墓参り代行の懸念

しかし「お墓掃除代行」と揶揄する人もいる。
すなわちお墓参りという神聖な行為をお金で済ませてしまうのは、お墓に眠るご先祖様に失礼ではないか、そんなものが広がっていくのはけしからん というものだ。
実際、墓参り代行業者もその業務拡大に伴って従業員を増やしているのだが、その従業員はアルバイトで雇うのが業界では一般的だ。
この業務を行うために何らかの資格が必要というわけでもなく、宗教法人に許可がなければできないといった規制もない。事実上誰でもできてしまうのが現状だ。 
 
無論業者が金儲けのためだけに、心をこめずに墓参りを行っているという批判をするわけではない。
しかし抵抗感を持つ人々が未だ多いというのもまた事実。
業者に頼むのは気がひける、という人々には、同様のサービスをお寺が行っている場合もあることも紹介しておこう。
すなわち、本来親族が行う墓参り、お墓の維持管理などをお寺が行ってくれるというもので、「永代供養墓」と言うサービスだ。
自分が亡くなった後に家族に迷惑をかけたくないと思い、生前から永代供養墓を希望する中高年も多く、こちらのサービスについても全国的に拡大中である。

将来への展望

これらのサービスが広がっているのは核家族化の進む日本社会の一側面と言えるだろう。
確かに伝統的な価値観にそぐわないものであり、嫌悪感を抱く人もいるのは当然だが、サービスの提供者も利用者も先祖への想いをないがしろにしているわけではない。
むしろ想いが強いからこそこのようなサービスが生まれたと見るべきだろう。
本当に先祖を供養する考えがないのなら放置したままにするはずである。時代に即した、新たな形での供養の仕方との見方が広まっていくことが予想される。 
 

この記事を書いたライター

雨輝
雨輝

生き死の問題は、人生の長い時間は考えないものです。メメント・モリ(死を想え)といった言葉があるように、死について真剣に考えることで、生きている意味を見出そうとし、有意義な生活が送れると思っております。
今この瞬間も死に直面している人もそうでない人もいますが、死は誰もが通過する道です。万人に共通する「死」というテーマで執筆することによって、多くの方々に「生」を実感してもらえればと願っております。