夫婦で書きたいエンディングノート

2015/08/20

ここ数年来「終活」に注目が集まるようになってからよく聞くようになったエンディングノートとは、高齢者が自らの死に備えて自分の思いや希望、残された家族に確実に伝えるために利用するものである。
具体的には、財産・貴重品の保管先や誰に渡してほしいかといった希望や望む葬儀方法などがあげられる。

また自分が死亡した場合に限らず、認知症などの病気で自己の判断力が無くなった場合などにもエンディングノートは重要となる。
患者が延命措置を望むか望まないか、介護が必要になったときに誰に頼りたいかどこで生活したいかなどの希望が書き記されていることで、家族の悩みや迷いが軽減されたといった話はよくあること。

さて、エンディングノートには書くべきルールとして決まったことは無い。
書く人のそれぞれの事情に合わせて書けばよいということもあり、若い人の間でも自己再確認の営みとしてエンディングノートを活用する人はいる。

エンディングノートを書くことの意味

エンディングノートは遺言状とは異なり法的拘束力はない。
あくまでも残された家族や遺族に自分の希望を伝えるもの、あるいは自分はどう生きたかを情報として知らせたい、という位置付けである。

しかし家族にとって見れば、夫婦や親子間でこういった事柄までオープンに話し合っている場合を除き、突然の身内の死に対してどのように対処したらいいのかを戸惑うことは多い。特に、突然決めなければならない事態に陥る葬儀の場合、どんな形で行うべきか?連絡すべき知人は?など勝手に決めてしまっていいのかと思い悩みながら進めることとなるケースは多い。またその後も、お墓をどうするか?散骨や合葬墓といった選択肢も出てくる中、故人の想いや考えが分からない中で、後悔を感じずにかつ親族に違和感を感じさせない内容で決めていくことは難しい。
このようなときにあると助かるのが本人の意思が遺されたエンディングノートである。

夫婦でつくろうエンディングノート世の中にはさまざまなエンディングノートが販売されていて、ネットを利用すれば無料で手に入るものもある。
エンディングノートは一度に全ての項目を書く必要はなく、気の向くまま徐々に書き加えていくことで完成できる。なので後から気付いたら追加・訂正するのも自由、その結果記載事項も充実した内容になるようである。

一人暮らしの方にはすぐにでも書き始めるのが良いと思うが、夫婦間で葬儀やお別れ会、墓などについてすでに何度も話をしている場合には、エンディングノートに改めて書く必要のある事柄はそれほどないかも知れない。
しかし残された人が判断に困る葬儀の形態・実施方法、葬儀業者や会場のこと、葬儀の費用、宗教・宗派について、戒名・法名、葬儀の規模などが書かれていると、故人の希望を聞いていなかった遺族にとって重要な手がかりになる。

夫婦で書くことがもたらすもの

さてエンディングノートを夫婦で書くことについて考えてみたい。
ノートの項目を1つ1つ確認し、お互いの考え方を改めて知ることにもなるので、できれば一人で書くよりも夫婦で書くことをお勧めしたい。

もちろん自分史などの項目では自慢するようなこと・恥ずかしいこともあるかも知れないので、まずは、葬儀の形態や墓について話し合うのがいいだろう。
そして自然葬・散骨の意志と場所、また延命治療の必要可否などの項目から確認していきたい。

入院時や葬儀のときに連絡してもらいたい人、したくない人などはきちんとしたリスト作りが必要であり、互いに確認して作りたいものである。
会員登録、携帯電話、カードなど解約をお願いしたいものを記しておくことも、残されたがわにとってはありがたい。

年老いた夫婦が、時間をかけながらエンディングノートの項目を埋めていこうとする中で、長年連れ添った相手の心の内を改めて発見しあい、関係や信頼をさらに深めていくという素敵な時間のきっかけになればよいだろう。