データでわかるライフエンディング【vol.6】高齢者の貯蓄と就業

2015/09/01

「データでわかるライフエンディング」第6回目はシニアの貯蓄・お金事情について考えていきたいと思います。

「退職し年金生活になるとフロー収入としてはかなり厳しくなるので、あらかじめ老後資金を蓄えておく必要がある」ということは現在常識となっています。今日は、シニアの生活とお金との関係に注目してみました。

老後に必要な生活費と貯蓄額の現実

老後の生活費としては、一体いくら必要なのでしょうか。
過去の総務省統計局の調査を元にすると、単身世帯で17万6000円程度、ふたり暮らしの世帯で31万円程度が最低必要額の目安だといわれています。
住宅事情や住んでいる地域などによって個々人で異なりますし、あくまでも目安のひとつですが、物価の高い日本という国で生活するためにはお金がかかることはわかります。

ずばり貯蓄、現金はいくらありますかというデータがあります。

高齢者の貯蓄

民間のアンケートサービス企業による高齢者の貯蓄に関する自主レポートです。
最も多いのが1000万円から3000万円未満で23%、次いで19%の5000万円以上、100万円以下、300万円〜500万円未満、500万円〜1000万円未満、3000万円〜5000万円未満、そして100万円〜300万円未満と続きます。
老後に必要な蓄えはおおよそ3000万円(全国の働く3万人へのアンケート調査、フィデリティ退職・投資教育研究所調べ参照)という通説を考えると、1000万円から3000万円、そして5000万円以上と答えた人の合計が42%を占めるのは納得の結果かと思います。

目を引くのは1000万円に満たない貯蓄額を答えた人の割合です。100万円以下が13%、300万円〜500万円未満が12%、500万円〜1000万円未満が12%と、世間で必要とうたわれている貯蓄額からはだいぶ少ない貯蓄額しか持たないシニアも多くいることがわかります。

 高齢者と就業

貯蓄が万全といえるとは言い難い状況、そして年金や福祉も不安定になるのではないかと懸念される中で、社会で働くシニアが増えているように感じます。シニアが何歳まで働くのが理想だと考えているかについてのデータ結果があります。高齢者の就業

「可能な限りずっと」と回答した人は過半数近くとなる44%。65歳までと答えた人は25%。平成25年4月2日より開始された65歳定年制の影響もあるのかもしれません。
70歳までが15%、長らく定年退職のスタンダードであった60歳までとの回答者が12%。55歳以下の早期リタイアを希望する声が少数という結果になりました。

「可能な限りずっと」というふうに回答したシニアが最も多いのには、驚きました。現役時代はバリバリ働き、リタイア後は自分の時間や夫婦ふたりでの余生を楽しむのがシニアのライフスタイル像だという考え方は現代に即さないのだと強く感じます。
自己実現や社会とのつながりを求めて働きたいという人もいるでしょうが、経済的に豊かになりたいから働きたい、経済的に苦しく生活が困窮しているから働きたいというシニアの声を多く耳にします。

高齢者就業率の国際比較

高齢者の就業率の国際比較のデータを見てみましょう。日本を含めた8か国を対象としており、各国の平成15年から25年への変遷を見ることもできるデータとなっています。 

高齢者就業率の国際比較

日本の高齢者の就業率は、この調査の対象となった主要国で1位です。平成15年の19.7%から、平成25年は20.1%と若干ですが増加しています。
平成25年の調査結果では第2位はアメリカ、そしてカナダ、ロシア、イギリス・・・と続きます。最も少ないのは平成15年、平成25年ともにフランスで、平成25年では2.2%という数値です。

「日本人は勤勉」というイメージがありますが、高齢者の就業率が高い理由はそれだけでなく、懐事情も大きいようです。高齢社会を迎える日本では元気な高齢者による社会活動は、大切なことになっていくと思われます。
高齢者が働きやすいように社会がサポートする必要を感じつつ、第6回目の「データでわかるライフエンディング」を締めくくりたいと思います。