旧姓にしないと実家のお墓に入れない?

2015/09/14

離婚して、事情により旧姓に戻っていないけれど実家のお墓に入りたい、あるいは、結婚していて夫の性を名乗ってはいるものの、夫の実家のお墓には入りたくない。
このようにお考えの方は案外多いのではないかと思います。
お墓はご自身が永久に眠る場所であり、それだからこそ、ご自身の希望するお墓に入りたいと考えるのは当然ですよね。

では、上記のようなケースでは、ご自身の希望するお墓に入ることができるのでしょうか?旧姓にしないと実家のお墓に入れない?

 

離婚して旧姓に戻っていないけれど、実家のお墓に入りたい

ケース1.離婚してはいるが旧姓に戻してはいない。そのままで実家のお墓に入ることができるのか?

結論からお話しますと、入れる可能性はあります。実は、行政が発行する埋葬許可は、具体的なお墓の指定はありません。墓地埋葬法上のお墓(墓地埋葬法施行前に建立されたお墓も含む)であれば、どこのお墓でも埋葬されることは可能です。

ですが、2つハードルがあります。

1つ目は、そのお墓の祭祀継承者(永代使用権者)の承諾が得られるのかということです。
たとえば、あなたのご両親がそのお墓を建立したのであれば、あなたの申し入れを快く承諾してくれることでしょう。ところが、なんらかの事情により祭祀継承者があなたのご両親でなかった場合に、その方の許可を得ることが難しい…という話はよく聞きます。地域の風習によっては他家に嫁いだ娘は…という考え方が根強く残っていることもございます。

ハードルの2つ目は、そのお墓が建っている墓地霊園の運営ルールや運営主体の考え方で、納骨する方の条件が限定されている場合です。ただし、昨今は親族であれば問題ないとするところが民営霊園だけではなく寺院墓地も含めてほとんどですのであまりこの点が問題になることはないでしょう。

 

結婚しているけれど、実家の両親のお墓に入りたい

ケース2.戸籍上も事実上も結婚はしている。その状況で自分の実家のお墓に入ることができるのか?

この場合も、ケース1と同様でハードルはあるものの通常は問題なく入れます。
ですが、あなたの夫、夫のご両親、夫の親族など、婚家側への配慮を十分にしておくことが重要となることが多いでしょう。また、そのような話し合いの場を設けた際には、婚家側に於けるあなたの心証が多少なりとも悪くなる可能性があるということを、覚悟しておく必要があるでしょう。

あなたに悪気がなかったとしても、捉え方によっては「あなたが婚家側の親族を気に入らないために一緒のお墓には入りたくないと言い出している」と解釈されてしまい兼ねないからです。

 

その他、こんなケースも

こんなケースも…。

夫が急逝したのち、息子さんがいなかったので妻が祭祀の承継者となりました。その後、妻は別の男性と同棲し、事実婚の状態が続いていました。そして、その男性も急逝してしまった場合、承継者である妻がその男性の遺骨もそのお墓に入れました。

最近は、墓地霊園の運営主体も親族の範囲は緩く解釈する方向にあるようです。

 

祭祀継承者の意思が重要に

上記でご説明させて頂いたとおり、お墓の持ち主(正確には祭祀継承者)の承諾を得ることさえできれば、親族または親族類似の関係があれば大抵はそのお墓に入ることができるようになってきました。

ですが、場合によってはさまざまな感情が絡み合い、難航してしまうこともあるでしょう。そうならないためにも、常日頃から近親者の方々とコミュニケーションを取り、あなたの意向を上手に伝えておくことが大切です。

墓石の刻字の問題は残る

「○○家之墓」 といった形で墓石の正面に刻字された姓は、その墓地・霊園の運営主体によって定められた規則で、通常は1つしか認められていないことが多いです。
もちろん最近は、こういった「○○家之墓」 といった刻字は使わずに、ちょっとしたメッセージをメインにしつつ、納骨される方の氏名や戒名を並べていくという方も増えましたので、そういった場合にはあまり問題になることはないでしょう。

かつては、別姓の場合、墓石本体には刻字できない代わりに五輪塔を立ててそちらに告示したりとさまざまな工夫がよく行われていました。

この記事を書いたライター

山田 美羽
山田 美羽

命には限りがありますが、最終章を迎えるまでには案外多くの時間が残されているものです。ただなんとなく過ごして最終章を迎えるのか、限りある時間を自分なりにコーディネートして楽しく過ごすのか。終活は2文字で構成されていますが、それが持つ意味はとても深いのではないかと思います。

セラヴィで執筆させて頂くに当たっては、皆様方のこれからの人生がより楽しく塗り替えられることを願い、有益な情報を発信し続けて行こうと考えております。