仏壇と供養のさまざま

2015/09/25

生前一緒に人生を歩んだご家族を亡くすのは、とても辛いことです。

「胸が痛んで、故人を忘れられない」という方も多いでしょう。その故人を偲ぶためにも、ご家族の生活に供養を組み込むことは、とても大切な役割を果たします。今回は、そんな家族の生活の中の供養と、時代の流れの中でのライフスタイルの変化に伴う様々な形の発展をご紹介していきます。

仏壇越しに故人を偲ぶ供養が織り込まれた日常

故人がゆったりと過ごせる住処、それが仏壇です。厳密な仏教の教えからすると違うのですが、多くの人にとっては故人の魂が存在しているまたはつながっている場所という存在ではないでしょうか。
仏壇は、故人と残された私たちの架け橋となって、日常生活の中で彼らの面影を感じさせてくれると言えるかもしれません。

そんな仏壇ですが近年では、家にない、という方もいらっしゃるかもしれません。

多くの人はご先祖様と一緒に暮らすように仏壇で供養をされています。
朝には仏壇を開け、ご先祖様にご挨拶をされています。そして、食事をお供えします。食べるものは、果物だったらきちんと皮をむいてお供えするなど、気を配ります。
そして、寝る前に一日のお礼を申し上げて、灯りも消して、きちんと扉を閉めます。
(地域によっては仏壇を開けっぱなしにするところもあるようです。)

このサイクルを絶やさず日常としています。 

仏壇の掃除も、毎日ではなくていいですが、清潔感を絶やさないようにしっかり行われています。

故人の友人知人とご家族の縁をとりもつ仏壇

よそから訪れたお客様の中には、仏壇に手を合わせていかれる人も多いのです。

訪れた方が故人のつながりのある方であれば、ご家族が仏壇を大事に扱われていらっしゃることが伝わることで、心をやすらげることでしょう。そんな仏壇の前で合掌することで、故人とまた会えた気にもなれますし、ご家族となにか想いを共有した感覚になることでしょう。 先祖供養 仏壇

仏壇がおけない場合の供養の形は…

 最近は、マンション暮らしであったり、家が狭かったりといろいろな事情で、仏間を用意して仏壇を置くのが難しい家庭も増えてきているようです。そういう時代の変化を背景に、伝統的な金仏壇や唐木仏壇とは異なる、一般的な家具に近い雰囲気を持った家具調仏壇を居間に置く、というスタイルが人気を高めました。

また、仏壇を置かない場合でもお位牌を安置する空間を創るという意味合いで、華道や茶道の世界で重視されている「しつらえ」の考え方で、お位牌を置く場所を創られている方もいらっしゃいます。居間にある家具の上の一角に、ちょっとした敷物とお香、季節のお花を活けて、お位牌とお写真を置かれるといった形が一般的です。

「御遺骨を埋葬するお墓をすぐには用意できない」といった事情を抱えた方の場合には、今は手元供養という供養の仕方をされる方もいらっしゃいます。
御遺骨の一部を手元に置いて供養するという意味合いで手元供養と呼ばれていますが、形態は様々です。
たとえば「遺骨を身につけて持ち歩きたい」という方は、御遺骨を収納するペンダントを身に付けたり、御遺骨その物でダイヤモンドを作りアクセサリーにしたり…といった形です。
また「家に置いておきたい」という方には、納骨容器タイプとして、遺骨の一部を保存した置物を使う方もいます。この場合には、一時的なお墓の代わりという意味合いと、仏壇を兼ねた位置づけとされていることが多いですね。

 

 

いかがだったでしょうか。
故人の心を込めた供養を生活に組み込むことは、故人のためでも、生きている私たちのためでもあります。伝統的な知恵もあれば、社会や生活スタイルの変化に応じて新たな形が見出されつつあるものもあり、ぜひさまざまな形を参考にしてみてください。供養 仏壇

この記事を書いたライター

橋詰 康子
橋詰 康子

私が身近に人の最期を感じたのは、病気で逝去した祖母からでした。それ以来、最期に立ち会う時はいつでも「自分がその人のために何かできたのか」と感じずにはいられません。
終活という重いながらも清いテーマを、少しでも人にわかりやすく伝えることができたなら。そう思って執筆させていただいております。まだまだ若輩者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。