雄大な自然や木々に囲まれて眠る”樹木葬”

2015/10/05

 自然葬という言葉が広く知られるようになりましたが、その一つに「樹木葬」があります。そもそも自然葬は「海や山などの自然の中に遺灰や遺骨を埋めたり撒くことで、自然回帰をする」という目的があります。「樹木葬」は樹木の下に遺灰を埋めたり、埋めた場所に樹を植える、という埋葬方法の一種です。

<樹木葬について>

自然葬全般に言えることですが、樹木葬は単なる埋葬方法ではありません。
「娘が嫁に行ったので墓の管理を任せるのは可哀想、負担をかけたくない」
「墓場の雰囲気が苦手なので、開放的な所に埋葬してほしい」
「里山のような場所がもっと増えてほしい。その為に樹木葬を選びたい」

このように、墓の手入れや管理の負担を減らしたり、自然保護といった観点も持ち合わせています。環境保全にも役立ちますし、社会貢献性が高い部分については他の埋葬方法よりも秀でている部分です。
「お墓について決めなくちゃいけないけれど、いわゆる“お墓”には入りたくない」「自分らしい埋葬方法を探している」という人も樹木葬を選ぶ傾向にあります。

 

<樹木葬の種類について>

樹木葬にはいくつかの種類があります。

・合祀墓、合葬墓
一本の樹木の周りに埋葬する形のお墓で、期間が経つと骨壷などから中身を出したり、最初から骨壷ではなく布などに骨を包んで埋葬するため、埋めてしまってからは個人が特定出来ないようになることも。もちろん一人ずつ埋葬の場所が確保されている場合もあり、霊園によって違いがあります。

・シンボルツリー型、個別墓
墓石の代わりに木を植える方法です。合祀、合葬墓とは異なり、個人個人の場所が確保されている傾向が多い一方、里山のような自然な風景づくりが難しいという特徴も。

・○○(樹木名)葬
樹木の種類を選べる埋葬方法です。桜やモミジ、バラなど様々な植物を選ぶことができます。

 

<樹木葬の注意点>

先祖代々のお墓があると、樹木葬に納骨する際に“お墓の引っ越し”をしたり“改葬”する必要があります。これらは「離檀」といい、寺院に申請・手続きする必要があります。
その場合「離檀料」を請求されることがあるのですが、相場はおおよそ10万円~20万円程度です。しかし、未払いの管理料があったり、これまでに多額のお布施を渡していたような場合には、離檀料が高額になることも。既にお墓がある場合には「樹木葬を考えているんだけれど」という形で、可能な限り早い段階で相談しておいたほうが無難でしょう。

それから家族についても同様のことが言えます。樹木葬について「私達はきちんとお墓を残してほしい」「名前が刻まれないときちんと弔われていないように感じる」と言われる可能性も考えられます。
樹木葬はすべての人が知っている埋葬方法ではないですし、またこれまでにないような埋葬方法です。そのため、家族からしてみると「きちんとした埋葬方法ではないのかも」と思われてしまうことも。

 

お墓の手続きや管理は残された家族の問題でもありますから、お互いに真剣な意見を交わし合うこと、そして自分の気持ちや希望を伝えるだけでなく、実現するためにどうすれば良いのだろうかと正直な思いを伝え合いながら話を進めましょう。

この記事を書いたライター

雨輝
雨輝

生き死の問題は、人生の長い時間は考えないものです。メメント・モリ(死を想え)といった言葉があるように、死について真剣に考えることで、生きている意味を見出そうとし、有意義な生活が送れると思っております。
今この瞬間も死に直面している人もそうでない人もいますが、死は誰もが通過する道です。万人に共通する「死」というテーマで執筆することによって、多くの方々に「生」を実感してもらえればと願っております。