家族は信者、私は無宗教。葬儀は?

2015/10/13

日本では、古くから仏教の教義やしきたりに基づいた仏式葬儀が一般的となっています。各宗派により作法やしきたりには多少の差はありますが、葬儀の一連の流れには大差がないと考えて間違いはないでしょう。

ですが、在来仏教内の宗派の違いではなく、キリスト教やイスラム教を始め仏教系であっても新興宗教であったりとなると、葬儀においても仏式とはまったく勝手が異なる場合があります。

あなたとご家族が同一の宗教を信仰しているのであれば、その宗教に準じた葬儀が執り行われるのが通常でしょう。ところが、ご家族がある宗教の信者であっても、あなたご自身は宗教とはまったく無関係であるというケースもあるでしょう。
では、あなたがご自分の葬儀について、ご家族の宗教とは異なる宗教に則った葬儀、または無宗教の葬儀を希望した場合、その意思が尊重され、あなたが希望するスタイルの葬儀が執り行われるのでしょうか?宗教 葬儀

最終的には法的な手段も

仏式の葬儀が一般的であるとはいえ、当然仏教という宗教に基づき執り行われるものであるため、無宗教の葬儀とは異なります。ですが、仏式であればそれほど色濃く宗教色を感じることがないため、無宗教の方にとっても抵抗がないという場合の方が通常です。

問題は、新興宗教などをはじめとする宗教のしきたりに基づいた葬儀の場合です。

熱心な信者であるご家族は、あなたの葬儀に対しても、信仰している宗教に基づき執り行う計画を立てることが考えられます。ですが、あなたご自身がそれに対して抵抗や反発を感じるのであれば、あなたに万が一のことが起こってしまう前に、ご家族ときちんと話し合い、あなたの意見をご家族にはっきりと伝えておきましょう。
葬儀は、あなたご自身の意思が尊重されて然るべきなのですから。

ただし、現実的にはあなたが亡くなった後は実際にはあなたのご家族の判断に委ねられるということになりがちです。 

どうしてもということであれば、「死後事務委任」という法律上、契約上の対応策もあり得ます。司法書士や弁護士など法律家とそういった契約を結んでおくことになります。
また、これに関連しますが「どのような葬儀を行うか」は民法897条に基づき「祭祀の継承者」が決定します。誰を「祭祀の継承者」とするかは本人の意思が最優先されるので、生前に意思を明確化した上でご家族含め親族に知らしめておくことが有効となります。

葬儀だけではない ご家族や親族が揉めないために

あなたの亡きあとには、さまざまな法要が行われます。その際には、ご家族ばかりではなく、親族の方が大勢集まることもあるでしょう。そして、その中には特定の宗教の熱心な信者の方もいれば、そういった宗教に極めて否定的な方もいるかもしれません。

つまり、法要やお墓参りの場でご家族や親族の方が揉めないためにも、あなたの亡きあと、ご家族や親族の方がどのようにあなたの供養を行うべきかということについて、やはりあなたご自身の意思をきちんと知らしめておくことが有効です。

宗教に対する考え方は人それぞれであり、ご家族同士や親族同士であっても反発しあうということは決して珍しくありません。

ですが、葬儀をはじめ、数々の法要に至るまで、基本的には本人の意思が明確であれば「それを尊重しましょう」ということで周囲の納得が得られることが多いです。エンディングノートなどに文書として残し、ご家族や親族の方に提言するというのもひとつの方法です。 

あなたの供養を大事に思う気持ち?

どうしてもご家族の方と意見が合わず、ある特定の宗教のしきたりに基づいて葬儀を執り行いたいという意思をご家族の方が強く持っている場合もあります

不本意かもしれませんが、とはいえ上述のような弁護士や契約といった法的な関係を持ち込むのまではちょっと…と感じられる方が多いのが現実です。

ただ、ものは考えようです。そうまであなたの葬儀に対して強い思いを持っているということは、それだけあなたの供養に対して思い入れを持っているということでは?

つまり、宗教云々はともかく、ご家族はあなたの供養をきちんと行うつもりであると考えることができるわけです。そこには、多分あなたとの関係を重要なものだと位置付けている家族の思いがあるのでしょう。そのような思いに対し、あなたが少しばかりの理解を示すということも、残されたご家族に対する愛情であるという考え方もあるかもしれません。

この記事を書いたライター

山田 美羽
山田 美羽

命には限りがありますが、最終章を迎えるまでには案外多くの時間が残されているものです。ただなんとなく過ごして最終章を迎えるのか、限りある時間を自分なりにコーディネートして楽しく過ごすのか。終活は2文字で構成されていますが、それが持つ意味はとても深いのではないかと思います。

セラヴィで執筆させて頂くに当たっては、皆様方のこれからの人生がより楽しく塗り替えられることを願い、有益な情報を発信し続けて行こうと考えております。