相続放棄は本人の生前にできるのか?

2015/10/28

相続人は自身に相続があることを知った時から、3ヶ月以内に「相続の単純承認」、「限定承認」、「相続放棄」の3つの中からいずれかを選択する必要があります。

相続放棄を希望する際は、家庭裁判所にて「相続放棄申述」を行う必要があります。
この手続きを行わない限り「他の相続人に対して、相続放棄する旨を伝える」「遺産分割協議書に、相続放棄する旨を記載する」といったことを行っても、法的に有効な相続放棄とは認められません。

ちなみに、相続の対象となる財産には、不動産や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。
つまり故人が生前、莫大な借金を残していた場合、通常に相続してしまうとそういったマイナスの財産まで相続することとなり、債務の返済などの責任を負うことになるということです。

そこで、被相続人本人である故人の遺産の内容として、プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合には家庭裁判所で相続放棄の申述手続きを行なうことで、マイナスの財産の相続を避けることがよく行われます。

もし被相続人となるべく本人が存命な内にマイナスの財産の方がプラスの財産よりも大きいことが分かっていた場合には、「相続放棄をしたい」と誰しもが思うことでしょう。
はたして被相続人となる本人の生前に、相続放棄はできるのでしょうか? mother_stop

被相続人となるであろう本人の生前に相続放棄はできるのか?

家庭裁判所で行う「相続放棄手続き」は相続権がすでに発生していることを前提として行われるものです。よって、相続権が発生し得ない生前に相続を放棄することはできません。

相続放棄の基礎知識

では、被相続人が亡くなられた後の通常の相続放棄はどのように行えばいいのでしょうか?
相続を放棄する場合は、相続があることを知った3ヶ月以内に家庭裁判所にその旨を申述する必要があります。

申述の手順 

1.戸籍等の必要書類を役所で取得します。 

2.相続放棄申述書を家庭裁判所のホームページからダウンロードし、必要事項を記入。もしくは、家庭裁判所を直接訪れて、申述書を作成します。

3.相続放棄申述書と戸籍や戸籍の附票を管轄の家庭裁判所に郵送及び、提出をします。

4.申述書提出後、2週間程度で家庭裁判所から照会書が自宅に送られてきます。照会書を入手したら、各質問事項に回答をし、家庭裁判所に返送します。しかし、相続放棄の内容によっては、家庭裁判所に足を運び、口頭で照会を行なうこともあります。 

5.照会の内容が家庭裁判所で吟味され、問題がなければ相続放棄申述受理通知書が自宅に送られてきます。
この書類を受け取った時点で、相続放棄は法的に認められたことになります。 

被相続人の生前にできること:相続放棄の意を伝えておく

以上のような手続きを家庭裁判所で行わない限り、相続放棄は認められません。よって、被相続人が存命な内に相続放棄をすることはできません。

もし、被相続人が存命である内に、死後に財産を相続しないことを確実にしたい場合には、被相続人が存命中、直接相続を放棄する意思を伝え、被相続人に「相続人から外れる内容」での遺言状を作成してもらうなどの準備をしてもらう必要があります。