介護離職:会社を辞めずに必要な介護はできるのか?

2015/10/30

自分以外には誰も重度の家族を介護する人がいない…という状況になったとき…
あなたはどうしますか。
介護をきっかけに会社を退職・転職する人は年間10万人に及びます(総務省の就業構造基本調査)。「介護離職」として社会問題化し始めているともいえる状況です。

「家族が重度の要介護となれば、会社を辞めなければならないのだろう」と漠然と感じている方はかなり多いのではないでしょうか。

でも、ちょっと待ってください。その先のあなたとあなたの他の家族の人生を考えると、安易な離職は大きな危険を伴う場合が多いはず。

できるだけ今の仕事を辞めずに介護を続けるためには、現実的にどのような方法があるのでしょうか。以下、まずは押さえておくべき代表的な3つのポイントをまとめました。

 

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1.介護休業を利用して介護の基盤をつくる

介護休業法では、家族が2週間以上にわたって常時介護を必要とする場合、93日間の休業が認められています。
「私は正社員じゃないし…」という方にも適用される場合があります。すなわち、以下の要件をすべて満たす場合にはこの休業が法律上認められています。

 ・1年以上同じ会社に勤めていること
 ・休業開始から93日以降も雇用が継続すると見込まれていること
 ・休業開始から1年以内に雇用契約の満了日がこないこと

また、対象となる「家族」の範囲ですが、まずは自分の親や子、配偶者と配偶者の親です。祖父母、兄弟姉妹、孫については、「同居かつ扶養をしている」という条件がつくので要注意。

家族1人につき原則として1回、通算93日までのひとまとまりの休業期間を申請することができます。この期間を介護サービスの利用を含めた介護生活の基盤作りに活用できることでしょう。
なお、申請は「休業を開始する2週間前」にする必要があります。 

2.介護休業期間の収入を確保する

介護休業をしている間、勤務先を管轄するハローワークに申請すれば「介護給付金」が支給されます。支給される金額は、休業開始時の賃金日額×支給日数×40%です。働いている時の4割ではありますが、ぜひ活用してください。
手続きは会社、もしくは本人が行うことになっているので、どちらが行うかは人事担当者などに確認してください。

なお、会社によっては休業中も賃金が支払われることがあるかもしれません。その際、1か月当たりの賃金の8割以上支払われていると給付金の対象とはなりません。

3.介護保険を使った介護サービスを利用する

介護保険を使った介護サービスを受けるためには、まず、市町村の窓口で「要介護認定」を受けてください。
申請から取得までは1か月ほど時間がかかるので、入院中に要介護又は要支援状態となるとの見通しがつけば、入院中から申請することをお勧めします。
申請後は主治医より「主治医意見書」を提出してもらい、調査員の訪問による認定調査を受けます。その後、審査を経て要介護度認定がされます。

介護認定がされたら、ケアマネージャーを探します。ケアマネージャーに、介護保険を有効活用する形でどういった介護サービスを組み合わせて利用するかのケアプランを作成してもらうためです。
ケアマネージャーは、一般的には各市区町村に設置された「地域包括センター」に連絡し、紹介してもらいます。
介護の肝はケアプランを作成するケアマネージャーが握っているといっても過言ではありません。「仕事と介護を両立するために力になってくれる方」を希望しましょう。

この記事を書いたライター

本間 純子
本間 純子

「色々なことがあったけれど、悪くない人生だった」と要介護の父、持病がある母に思ってもらえれば。そう願って、時には激烈なケンカをしながら一緒に暮らしています。
老いや病気はきれいごとでは済まないこともありますよね。それでも前に進んでいかなければなりません。人生の先輩方や支える家族の方々が、できるだけ元気で楽に暮らせるような情報をお伝えできればと思います。
どうぞよろしくお願いします。