寿陵、残される方にお墓の心配をさせない選択

2015/11/06

若いころにはよくわからなかったものは何ですか?
たくさんあるでしょうが、なんとなく知ってはいるけれども遠い存在だったものにお墓があると思います。あなたが亡くなったとき、年若の家族にお墓の不安を遺さないようにするやり方があります。年齢を重ねた家族であったとしても、悲しみの中で遺族が墓について考えるのは精神的な負担となるでしょう。それに加えて、墓とは高額な費用が伴うものでもあります。心にもお財布にも重くのしかかるお墓について、周囲の人たちのことを考え準備することが必要になってくるのです。

先祖代々の墓に入ると決まっている場合は別ですが、分家などで自分が入る墓が決まっていないとき、新しく墓を用意しなくてはなりません。とはいえ、生きているうちにお墓を準備してもいいものなのでしょうか。
実は墓を購入する時期に決まりは全くありません。生きているうちに自分で選び購入してもいいのです。生前に建立する墓を「寿陵(じゅりょう)」といい、古のころより長寿、子孫繁栄、家内円満を招くとされてきました。
亡くなる前に墓を用意すると縁起が悪いように思うかもしれませんが、果報を招く行為とされていたのですね。

寿陵のメリット

寿陵、つまり生前に墓を準備するメリットはいくつかあります。

まず先に述べたように、亡くなった後の遺族の負担を減らせるということ。
遺された家族には法要の準備、事務手続き、遺品などの片付けと、やらなければならないことが山ほどあります。悲しみの最中に墓のように大きな買い物をさせるのは、難しいように思います。

メリットの2点目は、ある程度自由に、時間をかけて選ぶことができるという点です。
立地条件、墓石の種類やデザインを選べるのは嬉しいですね。亡くなった後に墓を購入しようとすると、やはり焦ってしまうでしょう。納骨する時期は法律などで決めれられてはいませんが、一周忌や三回忌などといった区切りのいい時期に建立する人が多いようです。時期が迫ってくると、妥協して購入してしまうことも少なくありません。

メリット3点目、それは相続税を節約できるということです。
家族が亡くなると、現金、預貯金、有価証券などいった、承継する財産の全てが相続税の対象となります。しかし「墓所、霊廟および祭具並びにこれらに準ずるもの」に関しては例外として課税されないと、相続税法12条で規定されているのです。亡くなった後に墓を建てようと準備していた現金は課税対象ですが、購入した墓は課税対象ではないのです。

寿陵を考える上で押さえておくべきこと

いいことだらけのように見える寿陵ですが、注意しなければいけない点もあります。
墓を購入した後に、より気に入った墓が見つかる可能性があるということです。好みや考え方が変化し、早めに購入したことを後悔してしまう・・・なんていうことにならないように、できる限り情報を集め覚悟を決めてから墓を購入するようにしてください。また公営墓地などは遺骨がないと申し込めない場合もあります。希望する墓地が見つかったら、早めに申込み条件を確認してみてください。

墓地を使用する権利である永代使用権を取得した後に、墓石を建てるといったように、段階的に墓を準備することも可能です。墓石を建てる時期は基本的にはルールはありません。ただし墓地や霊園によっては永代使用権を取得した何年以内に墓石を建てなければならないと定められている場合もあります。永代使用権を取得したら墓石が建っていなくても支払を済ませなければなりませんので、注意してくださいね。

寿陵と言っても、代々墓ではない選択も…

結婚していない。または夫婦だけで子どもがいない、子どもがいても墓守がいない・・・。このように墓を承継する人がいない場合は、「永代供養墓」を選ばれる人も増えています。
永代供養墓とは、承継者に代わり寺が責任を持って永代にわたって供養と管理をしてくれる墓のことです。合祀墓、合同墓などとも呼ばれますが、寺によって様々な呼称が用いられています。

自分で更地から墓を建てるわけではないため、墓石・工事費といった通常の建墓代金とは異なる価格体系です。金額的にも費用が安価におさえられる傾向があります。
一式で10万から100万円以上と、寺や納骨方法によって料金には幅がありますが、平均では30万から50万円程度といわれています。一式料金を一度だけ支払えば、管理費、お布施などの費用は一切かかりません。しかし生前申込みの場合には、年間管理費などが発生する場合もあります。ほとんどの永代供養墓は、過去の宗旨宗派を問いませんので、実家の宗派とは異なった宗派のお寺に申し込む方も多く、比較的自由な選択がなされています。

遺された人たちが墓参りしやすいかというのも、墓選びの重要なポイントです。子どもたちがピクニックのように気軽に明るい気持ちでお参りできる墓として、芝生墓地、ガーデン墓地といったものも注目を集めています。寿陵

まとめ…

 ・自分がどのような墓に入りたいか
 ・そして周りの人にどのように供養してもらいたいか
二つの視点から、あなたらしい墓を準備してくださいね。

この記事を書いたライター

三浦 知子
三浦 知子

幸せってどういうことなのだろうと考えたときに、私は自分らしく、その人らしくいられることなのではないかと思います。

人生の終盤をどのように過ごすかは、人間にとってとても大切なことです。世間やほかの人の価値観ではなく、ご自身が今までに培ってきた考え方を生かして豊かに過ごしていただきたい。そのお手伝いができることを、とても嬉しく思います。