突然の末期癌、“ホスピス”という選択

2015/11/19

夫が突然の末期癌宣告、悩んだ末の“ホスピス”という選択

磯山信子(宮崎県在住、60代女性)
「最期は穏やかに過ごしたかった」

糖尿病で入院したはずが・・・癌!?

今から約2年前、夫が64歳という若さで他界しました。
それまでは入院した経験もなく健康なほうであったと思いますが、高脂血症と高血圧のために長年服薬はしていました。楽天家な夫でしたから、高脂血症であっても生活習慣や食生活を正すことはありませんでした。
そのせいもあって糖尿病が疑われ、ある日、検査入院をすることになったんです。そこで発覚したのが、まさかの肺癌でした。それも末期のステージ4で、余命4ヶ月との突然の宣告。“青天の霹靂”とはまさにこのことだと思いました。
今思えば、確かに日頃から咳き込むことは多かったのですが、これが肺癌だとは誰も思ってもいなかったのです。

当然ながら糖尿病の治療どころではなく、医師からは当たり前のように抗癌剤治療を勧められました。 突然の末期癌、“ホスピス”という選択

抗癌剤治療以外の選択肢があることを知る

私たち夫婦は突然のことに頭が真っ白になり、医師に言われるがまま抗癌剤治療を始めよういうことに。でも、余命4か月を抗癌剤の副作用で地獄の苦しみの中すごすということには大きな抵抗を感じてもおりました。

そんなときに知ったのが、“ホスピス”という選択です。成人した娘が医療事務の仕事をしていたため事情に詳しく、教えてくれたのです。なんでも“在宅ホスピス”といって、私たちの家にわりと近い病院が行っているやりかたで、癌の痛みやつらさを和らげる治療を施しながら、「治す」のではなく「残された余生を豊かに過ごせるように支える」というものでした。場所も病院ではなく、家でこれまでどおりの生活ができるようにするものとか・・。
夫が糖尿病で入院した病院は田舎の小さな公立病院だったからか、このような情報はまったく教えてくれませんでした。

家族で悩んだ末、本人である夫が選んだのが“在宅ホスピス”

正直なところ、抗癌剤治療をするか、在宅ホスピスにするか、かなり悩みました。夫はまだ若く、定年退職前でもあり、私も夫との老後生活を楽しみにしていました。二人でゆっくり温泉旅行に行ったり、いつか生まれる孫を可愛がったりしたいと、やんわりと夢を膨らませていました。
私としては、できるかぎり長生きしてほしい。抗癌剤治療で治るものなら、やっぱり頑張ってほしいという気持ちもありました。しかし、夫が患ってしまったのは末期癌。抗癌剤治療をしたところで、少しは寿命が延びたとしても、限られているのは分かっています。

夫も十分わかっていたんでしょう。
家族みんなで悩んだ末に、夫の「やっぱり家で穏やかに死にたい」という一言で、ホスピスにしようと決心しました。
私は内心は悲しみでいっぱいでしたが、最期の時間を穏やかに過ごせるように、24時間体制で夫を支えることを腹に決めました。

※個人のプライバシー保護の為、人物名や施設の場所等、具体的事情は事実と異なる内容となっています。

この記事を書いたライター

まつい
まつい

これまで全国各地の石材店や納骨堂の取材をしてきました。
最近は「終活」という言葉をよく耳にするようになったものの、なにから始めればいいかよく分からない人も多いはず。そんな方々のお役に立てるように、終活にまつわる情報をお伝えしていきます。
終活を通じて、自分のこれまでの人生を見つめ直し、そしてこれからの人生に備えていきましょう。きっと自分にとっても家族にとっても、充実した幸せな暮らしにつながるはずです。