データでわかるライフエンディング【vol.7】老後のリフォーム

2015/11/20

老後の生活に合わせたリフォームに注目が集まる

「データでわかるライフエンディング」も、第7回を迎えました。今回は高齢者とリフォームについて統計データの視点から取り上げていきたいと思います。

“終の棲家”という言葉に象徴されるように、人生において住宅はとても大切なものです。家とは厳しい自然から私たちを守ってくれるものです。そして雨風をしのぐだけではなく、温もりや安らぎを与えてくれるものといえるでしょう。

年齢を重ねていくと、家族の形や自分自身のライフスタイルは変化します。若いときのように体を自由に動かすことが難しくなり、少しの段差につまずいたなんていう話もよく耳にします。また働き盛りのときに購入した住宅であれば、住宅自体の老朽化も進んでいることでしょう。現在の自分たちの生活に合わせたリフォームが、シニアに注目されています。

「バリアフリー」という言葉をご存知ですか。元々は障害・障壁がないという意味ですが、今日では使う人を選ばずに誰もが気持ちよく使えるという広義の意味合いを持たせて使うことが多いようです。バリアフリー住宅とは、加齢や障害などの影響で行動能力に差があったとしても、だれもが同じようにスムーズに生活ができるよう障壁が取り除かれた住宅を指します。自宅での事故を未然に防ぎ、日々快適に暮らすためには、バリアフリー住宅、そしてバリアフリーリフォームはシニアライフの重要なポイントといえるでしょう。

あなたの家はバリアフリー住宅ですか?

「あなたの家はバリアフリー住宅ですか」という質問を50代、そして60代以上の男女に投げかけました。この問いに対する回答は次のグラフのとおりです。あなたの家はバリアフリー住宅ですか

 バリアフリー住宅に住んでいる確率は50代では21.2%ですが、60代以上になると25.7%と増加しているのがわかります。

リフォームでのバリアフリー化は20%に留まるが…

次にどのような形態でバリアフリー住宅に居住しているか、こちらのグラフを見てみましょう。どのようにしてバリアフリー住宅にしましたか? バリアフリー住宅を新たに建築したり、購入したりしたという人が67%、賃貸住宅に居住しているという人は8%という数値が出ています。バリアフリー住宅にリフォームした割合は全体の20%に過ぎません。

しかしこの調査では、現在バリアフリー住宅に住んでいない人で、「今後バリアフリー対策が必要」と回答した人の70%が「リフォームで対応したい」と答えており、リフォームという選択肢への期待が高まっている状況がうかがえます。

バリアフリー住宅を新たに建築したりや購入したりするには、莫大な費用が必要になります。また長い年月を過ごした愛着のある土地や家から離れるのがさみしいというシニアの意見も聞かれます。
限られた予算で、そして今までのコミュニティや思い出を大切にしながら現在のライフスタイルに合わせることのできるリフォームは、高齢者にとって非常に有効な手段となってきているのではないでしょうか。

シニアとしてこれからのライフプランを作成するときに、どのような住宅に住みたいのか、どういう形であれば住むことができるのかということを改めて考えてみてください。

対策の中身も段差の解消、手すりの設置、滑り止め…と老後の生活対策が中心

バリアフリー対策をしている人には、どのようなバリアフリー対策が実際に必要だと感じたか。またバリアフリー対策を現在していない人は、どのような対策を今後必要だと考えるか、次のデータにまとめました。どのようなバリアフリー対策が必要か?

「実際に実行している対策」で割合が一番多かったのは段差の解消、スロープの設置で75.1%にものぼります。次いで第2位は手すりの設置で66.9%。第3位に59.8%の水回りのバリアフリー化が続きます。
対策未経験者が考える「必要だと予想される対策」の第1位は段差の解消、スロープの設置で63.2%。

実際に行われている対策と必要だと予想される対策の割合は、ほとんどの項目で同じような傾向です。
しかしすべり止めの設置に関しては対策が必要だと考える人は35.2%ですが、実際に対策をしている人は16.4%と差が見られます。

老後のバリアフリーリフォームの価格感。介護保険も適用される場合有り。

新たにバリアフリー住宅を建築するよりは予算が抑えられるとはいえ、リフォームにももちろん大きな費用が発生します。リフォーム業者や仕様によって異なるためにはっきりとした金額を示すことはできませんが、予算のイメージを記しておきたいと思います。
段差解消、スロープ設置は、1か所数千円から行う方法もあるようです。床の重ね張りという手法で段差をなくす場合、工事の費用は7万円程度(6畳分)。また手すりを取り付けるリフォームは5万円から15万円程度が相場のようです。浴室のリフォームには100万円以上かかることも少なくありません。
老後の大切な資金の中からリフォームにいくら費やすことが可能なのか、どのリフォームが自分の家には必要なのか、見極めが重要です。

あなたや大切な家族を守る住宅のメンテナンスを、シニアライフの備えのひとつに入れておいてください。バリアフリーリフォームには介護保険や各種減税制度が適用されることもあります。
賢く満足のいくリフォームになるように検討してくださいね。