“ホスピス”という選択[3] 失敗だった葬儀社選び

2015/11/25

磯山信子(宮崎県在住、60代女性)
失敗だった葬儀社選び、葬儀ローンのしつこい勧誘に呆れる 

余命よりも早くに他界

夫の肺がんに気が付いた時にはもう末期で、余命は僅か4ヶ月と宣告されていました。しかし、実際はもっと早い2ヶ月で亡くなってしまいました。本当にあっという間で、心の準備はおろか死後のことを考える暇なんて全くありませんでした。
お墓のことをはじめ、二人の娘への相続のこと、義母の介護のことなど、夫と話すべきことは沢山あったと思いますが、どれもできていません。これも運命ですから仕方ないのかもしれません。しかし、「葬儀社選びだけはきちんとしておけばよかった」と今でも少し後悔しています。

近所の大きな葬儀社に依頼

余命を宣告されていたとはいえ、突然の死去に私は呆然とするばかりでした。葬儀社について考える余裕はもちろんなく、流れ作業のように近所の大きなところに依頼しました。
実際に葬儀の手続き等を進めてくれたのは義息子です。30代の義息子にとっても葬儀の手続きをするのは初めてのことで、よくわからないままも動いてくれたことに感謝しています。 

施設の充実ぶりに驚く

葬儀の準備は慌ただしく、葬儀社から言われるがまま進めました。義息子に任せたとはいえ、喪主の私にも確認されることは多々ありました。
大きな葬儀社でしたので、やはり施設は充実していました。通夜の際に遺族・親族が過ごす広間の横には、タイムカプセルのような寝床がいくつかあり、遠方から来ていただいた人たちに使っていただきました。なんでも、中にはテレビや鏡もあったとか。シャワールームやお手洗いもバリアフリーで完備されており、とても綺麗でした。 

葬儀社の対応に疑問が…「失敗」と感じた瞬間

正直、この葬儀社で良かったのは施設だけです。そのほかの対応は疑問が残るばかりでした。言われるがまま進めた私たちの責任もありますが・・。
まず、遠方にいて参列できない人のために“ネット配信”するとのことで、葬儀が撮影されたのに違和感がありました。そもそも遠方にそんな知り合いはいませんでしたし、悲しみに暮れる姿を撮影されたくはありませんでした。また、悲しみのなか娘と供花をみていたら「お礼はどうなされますか?」とカタログを広げて持ってこられたときにも、そのマニュアル通りの対応に呆れました。精進料理も伝えていた数より一つ足りなかったのに、向こうは謝罪なく「聞いていません」を押し通すばかり。大きな葬儀社だけに、非常に残念でした。 失敗だった葬儀社選び

健康な実母に葬儀ローンを勧められ…「失敗」と感じた瞬間

「葬儀社選びは失敗した」と確信したのが、葬儀後のことです。まだ健康な私の実母に葬儀ローンを勧めてくるではありませんか!それが非常にしつこいこと。
「万が一のために」「私たち子供に負担をかけないために」など綺麗ごとを並べてはきますが、とても醜い行為に思えてしまいました。母も強く断りましたが、その後も何度か電話があったようです。しまいには、「ローンを組めないならば、ほかの人を紹介してください」と言われたとか。
上司からの圧力でしょうか・・。この葬儀社の対応にとても呆れ、葬儀社選びは大切だと実感しました。 

※個人のプライバシー保護の為、人物名や施設の場所等、具体的事情は事実と異なる内容となっています。

この記事を書いたライター

まつい
まつい

これまで全国各地の石材店や納骨堂の取材をしてきました。
最近は「終活」という言葉をよく耳にするようになったものの、なにから始めればいいかよく分からない人も多いはず。そんな方々のお役に立てるように、終活にまつわる情報をお伝えしていきます。
終活を通じて、自分のこれまでの人生を見つめ直し、そしてこれからの人生に備えていきましょう。きっと自分にとっても家族にとっても、充実した幸せな暮らしにつながるはずです。