「施設で看取る」という選択肢。そのメリットとデメリット

2015/12/07

2006年、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)がターミナルケアを行う報酬として、「看取り介護加算」が新設されました。その後、介護老人保健施設に「ターミナルケア加算」、さらにグループホームに「看取り介護加算」が認められるようになり、施設で死亡する利用者が増えつつあります。

この「看取り介護加算」と「ターミナルケア加算」は、施設が医療系サービスと福祉系サービスのどちらを行っているかにより違うもので、死を迎える人のためのケアに対する加算という意味では同様のことです。

現在、8割以上の人が病院で亡くなっていますが、厚生労働省が推奨する病院以外での看取りを実現するには、在宅療養クリニックを利用した在宅看取りはもちろんのこと、こうした看取りを行う介護施設の役割も重要になってくるでしょう。
(お看取りまでできる介護施設の情報に関してはこちら)

施設での看取り増加が増えた理由は、延命措置を施すことなく自然になくなる「平穏死」の概念が一般にも受け入れられるようになってきたこと、また、介護職員自身にも看取りケアを行いたいという声が上がってきたことなどが挙げられます。

施設での看取りのメリットとデメリット

施設で看取る

看取り介護とは、終末期にある人が死を迎えるまで、できるだけ物理的、精神的な苦痛を緩和・軽減し、人間らしい生を全うしてもらうためのケアのことです。施設での看取り介護の良いところは、それまで過ごしていた場所で、家族をはじめ介護してくれたスタッフなどに見守られながら、安心して死を迎えることができることができることでしょう。

施設における看取りを視野にいれた介護では、以下のようなケアが行われます。

【ボディケア】
バイタルサインの確認、環境の整備、栄養補給、水分補給、排泄ケア、清潔保持、発熱、疼痛への配慮 

【メンタルケア】
身体的・精神的苦痛の軽減、コミュニケーション、プライバシーへの配慮

【看護処置】
医師の指示に基づき必要な点滴や酸素吸入等の看護処置を看護職員が実施、必要時の鎮痛剤や抗不安剤の投与

【家族に対する支援】
家族の身体的、精神的負担の軽減、話しやすい環境を整える、心配事に対応、死後の援助

一方、介護施設の看取りにはデメリットもあります。

・(医療関係者に24時間の連絡体制ができてはいるものの)常勤医がいない、また夜間看護師が不在の施設もあり、医療体制を確保が難しい。

・医療関係者がいない中で、経験の浅い介護職員が看取りを行うことがかなりのストレスになる。こうした問題の対策として、介護職員の研修や、介護と看護の連携・協働体制が重要になる。

・家族への対応が難しい。死に場所に対する本人と家族の意見が一致しなかったり、急変時に家族の考えが変わって病院への搬送を望んだりすることもある。施設での看取りを本人が希望していても、本人の意思を尊重できない場合がある。そのため、看取りや死への心構えを家族にしてもらうために、家族に学びの機会を提供することが必要。

 施設での看取り度は、今後認知度も高くなり、増えていくことが予想されます。上記のような課題を解決するために、連携体制を強化したり研修や情報提供の場を設けたりすることが必要になるでしょう。

上で見てきたように、施設での看取りにはメリット・デメリットの双方が存在します。施設入居を考える際は、入念な情報収集を行った上で入居を決めるのが望ましいでしょう。

お看取り可能な看護施設の情報は「看取りコム」などのサイトに詳しく掲載されています。

施設看取りを考えている方は、こちらも参考にしてみてください。

この記事を書いたライター

K Yoshi
K Yoshi

親が高齢になり、自分が介護者になる可能性が出てきてはじめて、ライフエンディングを意識するようになりました。
自分らしく人生を締め括るために、また大切な家族に幸せな最後を迎えてもらうためには、十分な準備が不可欠です。「終活」には前向きな意味が込められていますが、それに関連したさまざまな情報をお伝えすることで、より良い人生のエンディングを実現するお手伝いをしたいと思っています。