人とペットが同じお墓に。ドイツで広がる新しい墓地の形

2015/12/09

ドイツ今、新しい試みが始まっています。人とペットを同じお墓で埋葬することを許可しようという動きです。

 

ペットと同じお墓に

2.お墓ベルリン、動物と1

今年、ライン川に面したコブレンツ市ブラウンバッハでは、ペットと人が一緒にお墓に入ることが法的に許された墓地が開設されました。

今から約1万2千年前、現在のイスラエルでも人間が連れていた犬と一緒に葬られていたという記録はあります。またドイツ国内でも、中世以前にアレマンネン、フランケン、ザクセンという地域において、人が犬や馬と一緒に埋葬されたという記録も残っています。

人と動物が同じお墓に入る。動物との合同葬儀というものの歴史は長いようです。ヨーロッパではスイスがその先駆者といわれていて、すでに2007年から人と動物が一緒に入る墓地は存在します。

今や子供の数よりもペットの方が多い社会。ペットと人の合同葬が活発化するのも不思議ではありません。

しかしドイツは基本的にキリスト教カトリックの信者が多く、宗教的な理由から動物と人との埋葬に抵抗感もあるようです。たとえばドイツでは、人間と動物の葬儀・火葬を同時に行うことを法律上禁止しいます。そのため、飼い主とペットの葬儀は別々なります。

しかし「納骨」に関して規制が、今回NRW(ノルトラン・ヴェスト・ファーレン)州において解禁されました。ある墓地の事業主は、すでに50の葬儀を予定していると発表しています。ペットと人との合同埋葬はますます増えていきそうです。

動物の死にも愛を

NRW(ノルトラン・ヴェスト・ファーレン)州の法令施行後以来、人と動物のお墓への納骨が法律上出来るようになりました。つまりはペットの灰も人の骨壺の中に一緒に入れる事ができるようになったというわけです。政府の会見によると、この新しいプロジェクトには政府としても理解を示しているようです。州保険省の大臣バーバラ・ステファンス氏によると、動物も人にとって大切で重要な仲間であり、常に一緒に住んでいる。その動物の死というものに対しても、十分な愛を与えなければならない、と話しています。

実際問題、ペットは高齢者の方々にとって唯一残っている友達だったり、家族が自分の飼っている動物だけしかいないという場合も現状少なくありません。さらにこれからの時代そういったケースが益々増えていくことも十分考えられます。最期の時を迎えるときに一緒に逝きたいという要望の裏側には、そういった理由もあるのだと思います。

比較的リベラルな教会関係者は、この新しい動きに理解を示しています。人にとってペットは重要である事は分かっている、というのです。しかし人間と動物は別れるべきだという意見を持つ教会も依然として存在します。

 

ネットでは好意的な声

インターネットの書き込みでもこういった声が寄せられています。

「私はとても嬉しく思う。私は愛犬と一緒のお墓に入りたいと思っていたので、自分の埋葬の選択について公式に認められたことに対し嬉しく思います。」

また他の方は
「ペットの骨を入れた箱が家に2つもあり、どうしようかと困っていましたので、この時を待っていました。」

ただもう一つの問題として最後を迎えるとき、唯一のパートナーがペットだけになっているということも懸念されます。

日本でも実際にペットと一緒に入るお墓もありますが、特に法律の規定は無いそうです。しかしこれからの時代、ペットの存在、死をどう判断するかということは、もっと問題になってくるかもしれません。

この記事を書いたライター

大山 龍
大山 龍

最期を考えることは今を生きている間は難しいことだけれども、決してネガティブなことだけではない。突き詰めて、最期のことを考えれば自然に、今をどう暮らせばいいのか見えてくるはず。
そんなにロジカルなことではないけれど。高齢化社会が進む中で、地域医療、介護、終末ケアの意義も益々クローズアップされていくでしょうし、様々なスタイルやコンセプトも今後投げ出されていくはずです。
それでも死とは誰もが迎える自然のこと。医療と美術、相対するかのようなそれぞれの視点で“終活”を考えてみたい。