認知症の原因はコミュニケーション不足?今からできる予防の知恵

2015/12/24

今日の日本で高齢社会について考えるときに避けては通れない問題、それは認知症です。

2012年、我が国で認知症を患っている人は約462万人と推計されています。認知症予備軍である軽度認知障害も含めると、65歳以上である高齢者の4人に一人が認知症と認知症予備軍という計算になります。認知症を患う高齢者は2025年には700万人を超えると予想され、軽度認知障害を含めると高齢者の3人に一人が認知症とその予備軍となります。

これから深刻な高齢社会に直面する日本において、認知症は国家問題といっても過言ではないでしょう。

 

コミュニケーションの不足が認知症の一因に?

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 認知症とは様々な原因で脳がうまく働かなくなったために障害が起こり、日常生活に支障をきたしている状態のことを指します。「アルツハイマー型認知症」、「脳血管性認知症」、レビー小体というたんぱく質が脳に蓄積され脳が萎縮するという「レビー小体型認知症」など・・・。

一言で認知症と言っても様々な原因があり、その症状も多岐に渡ります。認知症を引き起こす原因ははっきり解析されてはいませんが、認知症の発症について興味深いデータが発表されました。

 それは日本福祉大学の研究チームが発表したデータです。他者との交流が月1回以上、週1回未満である孤立した高齢者と、毎日他者とコミュニケーションを取っている高齢者とを比べたときに、孤立した高齢者が認知症になる可能性は他者と交流している高齢者の1.39倍、介護が必要になる可能性は1.4倍高まる傾向があるという調査結果でした。

海外でもオランダのアムステルダム自由大のチームが、自身が孤独だと思っている高齢者は認知症になる確率が高くなるという研究結果を発表しています。

 明確な原因はわかっていない認知症ですが、脳への刺激の減少が認知症の発症リスクを高めるということは認識されています。孤独な暮らしによる生活のワンパターン化や、少ないコミュニケーションでは脳は刺激されるとは言えないでしょう。脳への刺激が少なく、認知症になりやすくなってしまうのですね。孤独を好む人もいるとは思いますが、いつもずっと一人でいるのは寂しいものだと思います。認知症発症という観点だけからでなく、豊かな老後の生活という観点から見ても、意識して他者と交流を図ることをおすすめします。

 年齢を重ねると、残念ながら学生時代のように気軽に友達をつくることは難しいでしょう。女性よりも、特に男性が新しい人間関係を築くことはハードルが高いようです。なかなか友達ができなくても、御自身のせいだと自分を責めないでください。異なる環境で、長い年月をかけて各々が価値観を培ってきたのです。そのような人々が、今まで背負ってきたものにとらわれずに青年の頃のように交流するというのはとても難しいことなのですから。

 他者とコミュニケーションを取るために、何も友達を作らなければいけないというわけではありません。友達を作ろうと意気込むと、肩に力が入ってしまいませんか。まずは友達というよりも「知り合い」を作ってみてはいかがでしょうか。趣味の集いに参加してもいいですし、何か習い事を始めるのもいいかもしれません。民間のスクールもありますが、地域の自治体が運営しているサークル活動もおすすめです。経済的にも低負担で気軽に始めることができますので、まずのぞいてみてはいかがでしょうか。

 これから何か新しいことを始めたいという方であれば、料理や麻雀がおすすめです。手と頭を同時に動かし、更にコミュニケーションも取れるので、認知症予防に効果的だと注目されています。男性が参加している料理サークルや女性のための麻雀教室も開催されています。今まで馴染みがなかったジャンルの活動にも挑戦すると、他者との交流だけではなく自分自身の価値観にも広がりが期待できますね。

この記事を書いたライター

三浦 知子
三浦 知子

幸せってどういうことなのだろうと考えたときに、私は自分らしく、その人らしくいられることなのではないかと思います。

人生の終盤をどのように過ごすかは、人間にとってとても大切なことです。世間やほかの人の価値観ではなく、ご自身が今までに培ってきた考え方を生かして豊かに過ごしていただきたい。そのお手伝いができることを、とても嬉しく思います。