生前贈与をめぐる娘婿とのトラブル

2016/03/17

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あなたのお子さんはご結婚されていますか?

そして、お子さんご夫婦は夫婦円満で家庭生活を送っていますか?

親御さんとしては、お子さんご夫婦が仲良く夫婦円満で過ごすことが一番の幸せなのではないかと思いますが、そこには、あるシビアな問題が隠されています。

それは、相続の問題。

普段どんなに”いい人”であっても、不動産や金品などの相続となると人が変わってしまうということも少なくはありません。

今回は、私の身辺で起こった実際の話をもとに、相続について考えてみることにしましょう。

 

生前贈与をしつこく迫る娘婿

被相続人(亡くなられた方)の財産は、基本的に子供が相続人(相続を受ける方)の第1候補として挙げられます。

ここでは、私の知人女性の話をモチーフとしてお話を進めて行くことにします。

ある女性、仮にAさんとしておきましょう、Aさんの夫はすでに他界してしまいましたが、結婚している一人娘がいます。

娘夫婦の仲は大変円満で、Aさんはやれやれ…と、ひと安心していたそうです。

ある日Aさんは、法律に関するテレビ番組を視聴し、そこで語られていた相続の問題について考えるようになりました。

「万が一自分が認知症になってしまったらどうしようもない。今のうちに、娘夫婦と相続について話し合っておこう」

そう考えたAさんは、娘夫婦に対して生前贈与の相談を行いました。

Aさんのもくろみは、娘さんにご自身の財産を生前贈与しておくことにより、認知症など万が一の事態が発生した場合には、娘さんに面倒を見てもらうということにありました。

ところが、その日を境に娘婿の態度が豹変したのだそうです。

娘婿の言い分は次のようなものでした。

「夫婦の財産は共有だし、娘さんに財産を贈与するのではなく、私に贈与して下さい。これから先、お母さんの面倒は娘さん一人で見切れるものではないし、すべて私の名義にしておいて頂ければ悪いようにはしませんので」

ここで、Aさんは勘づきました。それが乗っ取りの第一歩であるということに。

それが証拠に、Aさんがかたくなに娘婿の申し出を断り続けているうちに、娘婿の娘さんに対する言葉のDVが始まったというのですから。

そして、今まで優しかった夫が、生前贈与の一件で別人となってしまったことに対する恐怖を覚えた娘さんは、ついに離婚に踏み切ったのだそうです。

 

生前贈与も良し悪し

Aさんは、その当時を振り返り次のように語っています。

「娘に対しては、本当に悪いことをしてしまいました。私がよけいな相談を娘夫婦に持ちかけなければこのようなトラブルが起こらなかったと思うと、本当に悔やまれます。でも、人間の欲って怖いですね。あんなに非の打ちどころのなかった人(元・娘婿)が、お金の話をした途端、別人になってしまうのですから。生前贈与は、予定通り行いました。もちろん娘に対してです。娘は案外サバサバしていますし、私を危険から守ってくれたお母さんに感謝だよ、なんて、可愛いことを言ってくれるんですよ。それが唯一の救いですね」

あなたが現在お子さんに対する生前贈与をお考えなのであれば、贈与を受けた方と、周囲に与える影響について十分に考慮した上で行うべきです。

“いい人”が”悪い人”に豹変する。その原因があなたの財産であることもないとは言えない問題なのですから。

 

子供の配偶者には相続の相談を行わないこと

あなたの財産を純粋にお子さんに相続させたいのであれば、その配偶者には相談を行わないことがベスト。

また、どうしても心配なのであれば、公証役場で弁護士と相続人立会いのもと、自筆の遺言書を作成しておくというのもひとつの方法です。

そして、作成した遺言書は金庫などに保管し、あなたと相続人できちんと管理を行いましょう。

お金は私たちが生活を営む上で必要不可欠なものではありますが、場合によっては、ありがたいお金が人の人生を狂わせてしまう可能性がなきにしもあらずである、ということも知っておきましょうね。

この記事を書いたライター

山田 美羽
山田 美羽

命には限りがありますが、最終章を迎えるまでには案外多くの時間が残されているものです。ただなんとなく過ごして最終章を迎えるのか、限りある時間を自分なりにコーディネートして楽しく過ごすのか。終活は2文字で構成されていますが、それが持つ意味はとても深いのではないかと思います。

セラヴィで執筆させて頂くに当たっては、皆様方のこれからの人生がより楽しく塗り替えられることを願い、有益な情報を発信し続けて行こうと考えております。