高齢者と孤独死の実態

2016/03/31

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孤独死の実態

メディアで取り上げられた老人の孤独死のニュースに、心を揺さぶられた人も多かったと思います。しかし最近はテレビなどで大きく取り上げられることも少なくなったのではないでしょうか。高齢者の孤独死が残念なことに珍しくなくなってしまった実態が、そこにはあるのです。

人は生まれてくるときも、死ぬときもひとりだなどという言葉もありますが、人間は周囲の人間との関わりがなければ生きていけません。誕生の瞬間は、生まれてくるのを待ってくれている人たちがいたはずです。その人の生き方は自由ですが、最期のときはこの世から去るのを心から悲しんでくれる人たちに見送られたいと思うのが人の常なのではないでしょうか。

孤独死とは人間らしい死に方とはいえない、非常に胸が痛むやり切れない事象です。

今日一人暮らしをしている高齢者は増加の一途をたどっています。

内閣府のデータですと、今から35年前の昭和55年、一人暮らしをしている高齢者は約88万人でした。しかし5年前の平成22年、一人で暮らしている高齢者は約479万人に増加しています。高齢者全体の割合で見ると、昭和55年は男性4.3%、女性11.2%。平成22年は男性11.1%、女性20.3%という数値となりました。高齢者を含む世帯で最も多いのは夫婦のみで暮らしている世帯で高齢者の約30%、単身世帯と合わせると過半数を超えます。加齢に伴って夫婦のいずれかが先に亡くなるのですから、独居老人はもっと増えていくのです。

「孤独死」にははっきりとした定義はありませんが、一般的にだれにも看取られずに息を引き取り、その後しばらくの期間放置されていたことを指します。高齢者が抱えている孤独が、孤独死を引き起こしているのです。

事故や孤独死などで亡くなった人の死因を解明する東京都監察医務院の発表(平成22年)を見ていきましょう。

東京23区では平成18年に3395件の孤独死が発生しています。これは毎日10人前後が孤独死している計算になります。平成25年の今日ではもっと増加していると考えられるでしょう。

孤独死には男女格差があり、一括りにできない問題です。男女ともに年齢が上がるにつれて孤独死の割合は上がるのは共通ですが、男性は50代前半以降、女性は60代後半以降、孤独死が目立つ傾向にあります。

前述したように男性のほうが女性よりも孤独死の発生率も高くなります。孤独死が発見されるまでの平均日数は男性で死後12日、女性は死後6日です。また男性はアルコールが死因となる孤独死が目立つのも特徴的でしょう。孤独死の実態からも、社会から孤立しやすい男性の姿が読み取れるのです。

 

孤独死を防ぐためには

孤独死を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

孤独死を防ぐための取り組みは行政や自治体、NPO、ボランティア、民間企業と、様々なものがあります。対策は増えているのに、孤独死が減らないのは悲しいことです。

最近は電気やガス、水道といったライフライン事業者や新聞配達員と民間企業が連携した取り組みも増えており、孤独死が予防されるよう期待されています。

孤独死には様々な原因があり、その原因が人の心に深く結び付いていること。助けを求めたくても、わかりやすいSOSを出せない人がいること。これらのことを忘れてはいけないと強く感じました。

孤独死はいつ、どこで起きてもおかしくありません。私たち一人ひとりが隣人の存在に敬意を払いながら、声なき声に耳を傾けていくことが大切です。

この記事を書いたライター

三浦 知子
三浦 知子

幸せってどういうことなのだろうと考えたときに、私は自分らしく、その人らしくいられることなのではないかと思います。

人生の終盤をどのように過ごすかは、人間にとってとても大切なことです。世間やほかの人の価値観ではなく、ご自身が今までに培ってきた考え方を生かして豊かに過ごしていただきたい。そのお手伝いができることを、とても嬉しく思います。