家族葬という選択

2016/05/24

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肝炎を発症してから1か月であっという間にこの世を去った叔父。母方の兄弟の中で一番若く、明るく元気だった叔父の訃報を聞き、残念で悲しい気持ちで一杯になりました。甥や姪たちの面倒見がよく、私たちは「兄ちゃん」と呼んでいました。社会人になった従兄妹達はめいめいに「兄ちゃん」を訪ね、私も親には言えない相談などをしたものでした。

通夜と告別式は「家族葬」で行うと聞いたとき、お見舞いで、苦しんでいた叔父と労わる叔母の姿を見ていただけに、不謹慎だけれども(それはよかった)と思いました。本当に悲しむ人たちで送り出すことができるので。

 

孫がのびのびと参列した叔父の通夜

叔父方と叔母方の身内と、叔父の生前付き合いのあった方だけが参列する、こじんまりとした通夜でした。生前のスナップ写真を収めたアルバムが柩の周りに飾られ、叔父の兄姉がなつかしそうに見ていました。陸上の選手だった高校生の頃の写真や、子どもや孫と撮った差写真、元気だったころの笑顔がそこにありました。

焼香、お念仏を唱え、坊様の法話が始まりました。すると、お念仏の間は我慢していた2歳の孫が、パイプ椅子の上でガシャガシャと動き始めました。始めは男の子だけだったのですが、お姉ちゃんも飽きたのか、一緒にしゃべり始めました。そのうち歓声を上げ始め。坊様は法話を何度か止めました。

はじめは両親がたしなめたり、抱いて外に連れ出したりしていましたが、叔母が何やら耳打ちしてからは子供たちの注意をしなくなりました。坊様は法話の中で「お孫さんの楽しい声で送られるのも故人にとってよいことでしょう」と話していらっしゃいましたが、参列者のすすり泣きの間に何かやさしい空気が流れていました。

最後に坊様が「これから1分間、眼を閉じ、故人の一番良い笑顔を思い浮かべてください」とお話しされ、皆、合掌しました。この時、列席した家族、親せき、親しかった人々が、それぞれに向けられた叔父の笑顔を思い浮かべたことでしょう。目を閉じると、叔父が明るい声で私の名前を呼び掛けてくれたようでした。

 

お葬式のスタイルをどう選択するか

叔父はまだ現役で働いていたので、社会的なつながりを重んじる一般的な葬式を出す選択肢もありましたが、ご遺族はあえて身内だけで行う「家族葬」を選択しました。その心情は推測するしかありませんが、家族の叔父への思いが強くあらわれていたように思います。

私は、告別式は遠慮しましたが、ここでもお孫さんたちが伸び伸びと式に参列し、皆が涙交じりに微笑むシーンがあったようでした。

この記事を書いたライター

本間 純子
本間 純子

「色々なことがあったけれど、悪くない人生だった」と要介護の父、持病がある母に思ってもらえれば。そう願って、時には激烈なケンカをしながら一緒に暮らしています。
老いや病気はきれいごとでは済まないこともありますよね。それでも前に進んでいかなければなりません。人生の先輩方や支える家族の方々が、できるだけ元気で楽に暮らせるような情報をお伝えできればと思います。
どうぞよろしくお願いします。