データでわかるライフエンディング【vol.10】人生の最終段階において医療とどう向き合うか

2016/05/30

終末期医療という言葉を知っていますか。「ターミナルケア」とも呼ばれる終末期医療は、その名のとおり終末期の医療及び看護のことをいいます。終末期とは死に近い時期を指してはいますが、公的に明確な定義がなされているわけではありません。病気を患っているが治る可能性がなく、数週間から半年ほどで死を迎えると予想される時期を終末期と呼ぶことが多いようです。どのように死を迎えるか。「データでわかるライフエンディング」第10回では、安楽死や延命治療の拒否の是非など、議論されることが多い終末期医療について考えていきたいと思います。

どのように病気と戦い、どのように死を迎えるかということについて、大切なのは自分自身や周りの人たちが後悔しない決断をすることだと思います。事前に終末期医療について家族と話し合ったことがあるか、調べた結果を見てきましょう。この調査は一般国民5000人、医師3300人、看護師4300人、介護施設職員2000人、施設長4200人に対して行われたものとなります。

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回答者の少苦行によって、それぞれ割合が異なることがわかります。「詳しく話し合っている」と答えた一般国民は2.8%とかなり少数派ですが、医師、看護師ではともに約10%が「詳しく話し合っている」と回答したています。施設介護職員で「詳しく話し合っている」と答えた割合は、一般国民と医療関係者の中間ほどの5.6%です。

「詳しく話し合っている」「一応話し合ったことがある」を合わせた数値は、看護師が最も高く66.3%。医師でも56.8%と過半数を超えています。終末期医療に知識のある医師や看護師は、終末期医療について話し合う必要性を身にしみて感じていることが読み取れます。

終末期医療について事前に決断をしていたとしても、いざそれがが必要になったときに自分の決断を正確に伝えることができるといえるでしょうか。病気が進行し衰弱していることも考えられますし、意志の伝達能力が衰えているかもしれません。そのような場合に備える方法として、意思表示の書面の作成が挙げられます。意思表示の書面作成について、調査結果は次のとおりです。

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意思表示の書面作成に賛成と答えた人は70%で最も多く、次いで「わからない」という回答が27%でした。明確に反対と答えた人は、わずか2%という結果でした。終末期医療に際して事前に書面を作成することは、多くの人に支持された方法といえますね。

医療が発展している今日、終末期医療には様々な治療方法が存在します。週末期医療と一言でいっても実際になされる治療は多種多様であり、ひとつひとつの治療に対して患者やその家族がどう捉えるかもそれぞれでしょう。希望する治療方針についてのデータは次のようになっています。

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「口から水を飲めなくなった場合の点滴」と「肺炎にかかった場合の抗生剤服用や点滴」の両者は60%程度の人たちが望むと答えています。次に望むとの回答が多かったのは「抗がん剤・放射線による治療」で28.6%。抗がん剤や放射線治療はがんの治療として一般的なイメージがありますが、望まないと答えた人の割合が47.5%と半数近くにも上りました。

「中心静脈栄養」「経鼻栄養」「胃瘻」「人工呼吸器の使用」「心配蘇生装置処置」という治療法に関しては、56%から70%程度の人たちが希望しないと答えています。

終末期医療は実際その立場になってみないとわからないことが多いものでしょう。前もって下した決断とは異なる治療方針に転換することもあるかもしれませんし、実際の状況に応じて知識を習得し柔軟に決断していうことが大切だと思います。しかし事前に理解を深め周りの人と話し合うことは、人生をあなたらしく送るヒントなのではないでしょうか。