データでわかるライフエンディング【vol.11】日本人の死因1位、国民病といわれる「がん」という病

2016/06/02

厚生労働省が発表した平成26年人口動態統計の年間推計によると、日本人の死因第1位は悪性新生物でした。悪性新生物で1年間に亡くなった人数は37万人にものぼります。悪性新生物はがんとも呼ばれ、日本人が付き合っていなければいけない国民病ともいわれています。「データでわかるライフエンディング」第11回の今回は、がんについて考えていきたいと思います。

がんと一口にいっても、できる部位は様々です。部位別のがん死亡数を、男女それぞれ調べたデータがあります。

 

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男性は肺がんでの死亡数が24%と一番多いことがわかります。その他を含めない場合、胃の15%、結腸と直腸を合わせた大腸が12%、肝臓9%、すい臓7%と続きます。次に女性を見ていきましょう。最も大きい割合を占めたのは、結腸と直腸を合わせた大腸で15%。こちらでもその他を除いて考えたとき、男性の死亡数1位であった肺が2番目に多い14%。その次がすい臓の10%となります。女性のがんの特徴として、乳房、子宮頸部、子宮体部、卵巣にできるがんも忘れてはいけません。乳房にできる乳がんは女性の死亡数のうち9%と大きい割合を占めています。

がんにはとても恐ろしいイメージを持っている人が多いと思います。もちろんがんを始め、全ての病は人間が戦わなければならない手強い敵であることは事実です。しかし医療は進歩し、がんは治る病気、コントロールできる病に変わりつつあるのです。できる部位や顔付きによって様々ながんがあり、治療方法の正解もひとつとはいえない難しい病気であることは事実です。

しかし、どのがんにも共通していえる治療に有効な方法があります。それは早期発見と早めの対処です。つまり、日常的にがん検診を意識して行うことがとても重要なのです。2013年の男女別がん検診受診率のデータを見てみましょう。

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男女ともに男性は47.5%、女性は37.4%と、最も高い割合の人が検診を受診していたのは肺がんでした。次は男性45.8%、女性33.8%の胃がん。そして男性41.4%、女性34.5%の大腸がんと続きます。女性特有のがんがメディアやがん保険商品の対象としても取り上げられていますが、検診の受診率は決して高くはなく、乳がんが34.2%、子宮がんが32.7%でした。

検診はがんを初期段階で発見するためにとても有効な手段です。無症状で見つけられたがんは進行していないことが多いので、早めに治療をすることができます。早期発見、早期治療ががんの死亡率を軽減させるのです。

がん検診には市町村が行う対策型検診と、それ以外の任意型検診があります。人間ドックなどは任意型検診にあたります。各市町村で行う対策型検診は、厚生労働省の指針を受けて行われています。胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんという5大がんが対策型検診の対象です。自治体によって異なりますが、負担が軽くて済むように費用が設定されているの、お住まいの自治体の検査を利用してみてくださいね。

大腸がんの検診は、大腸を直接診察することを想像してはずかしがる人も少なくないといいます。しかし大腸がん検査の始めはたいてい便検査で、気軽に受けられる検査なのです。1年に1回検査を受けることをお勧めします。

またがんは生活習慣と密接に結び付いている病気です。禁煙。動物性死脂肪を控えて、青魚などの魚を食べる。野菜や果物を積極的に食べる。飲酒はほどほどに。適度な運動の習慣化。これらが生活習慣改善のポイントです。検診と生活習慣の改善を併せて取り入れると、がんの予防により効果的でしょう。