【私の看取り体験 その4】故人名義の銀行口座から現金を引き出すには?

2016/06/16

888ea456591855ff6350378ea87a6600_s

人の死に際してのお金のトラブルというと、遺産相続がすぐに思い浮かびます。しかし、突如訪れる臨終には、それまで想像もしていなかった費用が発生するもの。その支払いに翻弄され、不安を募らせる遺族も多いのです。

これまでの記事で、祖父の臨終に際して、残された祖母の体験したお金にまつわる不安についてお伝えしてきました。その後も祖母はそれまで経験したことのない金銭的なイベントの数々を経たようです。

さて、葬儀費用とひと口に言っても、その内容は多岐に渡ります。いわゆる葬儀を執り行う費用として葬儀社に百数十万円、読経依頼した僧侶に数十万円、さらに戒名代として20〜30万円の支払いが発生しました。ここに、通夜、告別式時の食事代数十万円と、会葬返礼品の代金数万円を加えた、合計三百万円弱が、祖父の葬儀にかかった費用だそうです。

これらの支払いを行うため、とりあえず祖父名義の銀行口座から現金の引き出しを行うことになりました。故人名義の口座からの引き出しということで、事前に銀行窓口に必要な書類と手続きなどを問い合わせてみることに。すると、以下のようなものを窓口に持参する必要があることが分かりました。

1 故人の戸籍謄本または除籍謄本
2 法定相続人全員の戸籍謄本
3 法定相続人全員の実印と印鑑証明
4 預金通帳と届印、キャッシュカード
5 窓口を訪れる人の身分証明書
6 葬儀社などからの請求書

銀行によっても、また金額やケースによって対応は異なるかと思いますが、以上が揃えば葬儀費用としての現金引き出しは可能ということ。慌てて法定相続人である伯父、叔母に連絡をとって、戸籍謄本や印鑑証明の取得を依頼します。ただでさえ慌ただしい葬儀後、時間をとって役所を訪れる作業は負担も大きいもの。できれば避けたいものですが、仕方がありません。

こうした面倒を避けるために、死期が近くなるとキャッシュカードなどを使って口座からあらかじめ現金を引き出しておくというケースも多いとか。本来ならば違法になるのかもしれませんが、現実的に考えると、率直に「そうしておけばよかった」と悔やまれます。

ただし、キャッシュカードで現金をおろしておく場合、後日相続税の申告が必要になるケースではこの額も申告額に加える必要があるとか。事前におろした葬儀費用も相続財産の一部と見なされるなんて、ちょっと考えてしまいますね。

本当に、人の死にあたっては「知っておけばよかった!」と思うことがたくさんあるものです。しかし、人生において身近な人の死に直面する機会はそこまで多くないもの。対処上手になるのはなかなか難しいのかもしれません。しかし、面倒はこれで終わりではなかったのです。