【私の看取り体験 その9】刀にゴルフ、死後の取り扱いに注意が必要な趣味のもの

2016/06/24

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静かな余生を過ごしつつ、80代後半の人生をマイペースに楽しんでいた祖父。

そんな祖父に訪れた死は、近い将来にある程度予期されていたものとはいえ、残された家族を混乱させるのには十分すぎるほどに突然のものでした。

配偶者であり、資産管理を中心となって行っていた祖母もまだ健在であり、親族はコミュニケーションも良好であったことから、遺産相続についてはトラブルもなく順調。とはいえ、家族を亡くしてみて初めて知ることも多く、さまざまな手続きに都度翻弄される日々が続いていました。

祖父を見送った後の数年は、祖母を中心とした親族一同で、ゆっくりとその死と向き合いながら、残されたもの、思い出を処理する作業に取り組みました。田舎の古い屋敷には離れもあり、収納スペースも多かったため、たくさんのものにあふれていました。

そのひとつひとつを手に取りながら、在りし日の祖父の姿を想い、丁寧に処分していく作業は、私たちにとってある種の癒しでもあったように思います。

さて、そんななか、祖父が趣味としていたことにより、また面倒な手続きが発生する事態が。

それが、刀とゴルフ会員権だったのです。

すでにラウンドを回ることはほとんどなかったものの、壮年期には週末ごとにクラブを訪れ、ゴルフを楽しんでいた祖父。複数のゴルフ場の会員権を保有していました。これらの会員権も相続財産に含まれるということで、同様にゴルフが趣味である伯父に譲られることとなりました。

しかし、故人のゴルフ会員権の扱いはクラブによってまちまち。手続きによって名義変更が可能なもの、死亡した人の会員権はクラブの買い取り扱いとなるものなどです。

祖父の会員権はさいわい同じくゴルフを嗜む伯父に活用されることとなり、可能なものについては名義変更を行って生かすことができたのですが、相続人にゴルフをする人がいなかった場合はどうするのでしょう? 調べてみると、市場価格で売買するというケースもあるようですね。考えただけでも面倒です。

さらにもう一つ面倒だったのが、刀剣の扱い。祖父宅の納戸には二振りの古い日本刀がありました。美術品、骨董品としての価値はそこまで高くないものの、これらも相続財産として引き継がれることになるのです。

売ってしまうという選択肢もあったのですが、祖父がそれなりに思い入れを持って大切にしてきたもの。これらも伯父が引き継ぐことになりました。

しかし、刀剣の所持にはご存知の通り、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)14条に基づいた登録が必要となります。銃砲刀剣類登録がない日本刀を所持することは、日本国内では犯罪となってしまうのです。

まずはこれらの刀がきちんと登録されているものであるかを確認。その後、登録名義を変更するという作業が必要となりました。日本刀の登録を担当しているのが県の教育委員会だなんて、この時に初めて知って驚いたものです。

このように、祖父の死に際しては、さまざまな手続きを通して、これまで知ることのなかった知識を身につけることもできたのでした。